「初めて一眼レフを持つけど、何をどうやって撮影すればプロカメラマンのような写真が撮れるの?」
約10年前に僕が初めて一眼レフを持った時、誰からも基礎知識を教わずに独学で撮影をしていた。
当時は全て『オートモード(A)』で撮影していたが、写真技術はなくプロカメラマンのような写真にならかった。
だけど、一眼レフの7つ基礎知識を知ることで写真技術を上げることができた。
一眼レフの写真技術を上げるための7つの基礎知識とは
- ボケ感を調整する『絞り』
- シャッタースピードの調整
- ISO感度とは?
- ホワイトバランス(WB)の調整
- 光の効果的な使い方
- 画角を決める基準『黄金比』
- 一眼レフカメラの撮影モードの違い
まずは、この7つの基礎知識を覚えることで写真技術を上げることができる。
目次
ボケ感を調整する『絞り』
一眼レフ撮影で重要なポイントとなる知識が、『絞り(f値)の調整』である。
この『絞り(f値)』の基礎知識を知ることで、一眼レフの写真技術を上げることができる。
『絞り(f値)』とは、背景の『ボケ感』を出したい時に調整するもの。
例えば被写体を目立たせたい場合、背景にボケ感を出すことで被写体を見やすく目立たせることができる。
上記でも記載しているように、絞りのことを『f値』とも呼ばれていて、
「f値1.8で背景に玉ボケを入れよう」
「商品撮影だからF値10でボケ感を少なくした方が良い」
と数字で絞りの効果を伝えることがある。
f値の数字が小さくなるほど背景にボケ感が出て、f値の数字が大きくなると背景のボケ感がなくなる。
絞り(f値)を下げた場合
例えば『絞り(f値)』の数字を小さくした場合の『ボケ感』。
PHOTO : Color Clips
MODEL : Oshima Makiko
背景を強くぼかすことで、人物を目立たせたりドラマチックな写真を撮ることができる。
一眼レフに取り付けるレンズにもよるが、『f/2.5〜4.0』あたりで調整するのがオススメ。
絞り(f値)を上げた場合
『絞り(f値)』の数字を大きくして、背景のボケ感を少なくした写真の場合。
PHOTO : Color Clips
MODEL : Oshima Makiko
この写真の場合は高速道路の下の空間に迫力を出すため、わざとf値を上げてボケ感をなくしている。
このような迫力のある写真の場合は、『絞り(f値)』の数字を大きくする方がインパクトのある写真が撮れる。
モデルを撮影するポートレートでは、『絞り(f値)』の数字を調整して背景の『ボケ感』のバランスを調整することが重要だ。
風景の場合は、あまりボケ感がない方がワイドで迫力のある写真になる。
絞りの調整は『f/9.0〜11』あたりがオススメ。
玉ボケで背景を柔らかく
もっともよく使われている方法で、背景を『玉ボケ』にすることも多い。
下の写真は、絞り『f/2.5』まで下げて撮影したもの。
自然光が背景の植物に当たって、その光が丸い玉のようにボケ感を出している。
こうすることで、柔らかい写真の印象を与えることができる。
シャッタースピードの調整
シャッタースピードとは、シャッターが開いている時間を表していて、
- シャッタースピードを速くすることで動いている被写体をブレずに撮影できる
- シャッタースピードを遅くすることで動いている被写体の動きの流れを撮影することができる
被写体の動きの中の一瞬を撮るか、水の流れを線状にするような感じに撮るのか。
その調整をするのが『シャッタースピード』である。
シャッタースピードを速く(数字を上げる)設定することで、
- 運動会で走っている子供
- 動きが読めないペット
- 粒状になった雨
などを撮ることができる。
例えば、愛犬が走っている瞬間をブレずに撮影したい場合。
シャッタースピードの数値を上げて撮ることで、決定的な瞬間を写真に残すことができる。
動きの激しいスポーツもシャッタースピードの数値を上げれば、その瞬間を撮ることができる。
反対に、流れる水を粒状ではなく線状に撮影したい場合はシャッタースピードを遅くするために数値を下げればいい。
シャッタースピードを遅くする場合に気をつけておくことは、手ブレがしやすくなると言うこと。
シャッターが開いている時間が長くなるため、少しでもカメラが揺れると写真全体がブレてしまう。
極端にシャッタースピードの数値を下げる場合は、カメラスタンドでタイマーで撮影するのがポイント。
例えばこちらの写真のような光のラインを撮る場合。
この光のラインは車のライトだが、極端にシャッタースピードの数値を下げているため、ハンドではこのような写真を撮ることができない。
カメラスタンドでタイマーにして撮影している。
シャッタースピードは、動きの中のその一瞬を残すのか、数秒前からの動きの流れを残すのかによって設定しよう。
ISO感度とは?
ISO感度は暗い室内や夜に撮影する場合、絞りやシャッタースピードだけでは暗い写真になってしまう場合の明るさ調整に使う。
ISO感度の調整で気をつけておくことは、数値を上げすぎるとノイズが目立って画質が悪くなってしまうこと。
基本的に明るい屋外の撮影では『ISO100〜160』、昼間の室内では『ISO400〜800』くらいが目安。
ISO感度を上げても暗くなってしまう場合は、ストロボや照明を上手く使って撮影することをオススメする。
ホワイトバランス(WB)の調整
ホワイトバランスについても、ある程度知っておく方がいい。
なぜなら、ホワイトバランスの違いで写真の印象が大きく変わってしまうからである。
このホワイトバランスの難しいところが、撮影する周りの光の環境によって思い通りの光の色がだせないこと。
ホワイトバランスは、撮影を経験しながら覚えていくしか技術を上げる方法がない。
もちろん、あとで写真現像ソフトを使えば自由に調整はできる。
だけど撮影技術を上げるためには、できるだけカメラ側で設定するのに慣れること。
一眼レフカメラの機能には、簡単にホワイトバランスの設定ができるアイコンが付いている。
ホワイトバランスをオレンジ寄りに調整すると、暖かい感じがして懐かしさを演出できる。
ホワイトバランスを青寄りに調整すると、クールでかっこいい写真になる。
雨の日の写真は、憂鬱な感情を表現するために、青寄りにして撮影することが多い。
光の効果的な使い方
どんなカメラでも同じことが言えるが、一眼レフの写真技術を上げるポイントは『光の使い方』が重要になる。
そもそも『Photographer(フォトグラファー)』という言葉は、ギリシャ語で“光を操る人”と言う意味がある。
写真は光の当て方が重要
写真撮影の技術を上げるポイントとして一番重要なことが、光の取り入れ方や光の当て方。
最初は自然光で撮影することに慣れていけば良いが、環境によっては光が届かない場合もある。
そんな時には、
- スピードライト
- 光を反射させるレフ板
- ソフトボックス
- 外部ライト
を組み合わせて撮影しなければいけない。
自然光でも照明機材でも、基本的には太陽の位置をイメージして光を調整すること。
撮影する写真のイメージによって、被写体にどの方向から光を当ててどれくらいの影を入れるのか。
光を当てる位置を細かく調整しながら撮影していくことが大切である。
昼間であれば、光を被写体に柔らかく当てるためにレフ板を使ったり。
顔にできた影を無くすために、スピードライトを使ったり。
このように光をコントロールすることで、被写体の良さを引き出していく。
構図を決める基準『黄金比』
写真を撮影する上で、バランスのいい写真にするには『黄金比』を基準にするといい。
この『黄金比』は、写真やデザインやアートを制作する上で、もっとも安定的で美しいと言われる比率のこと。
『黄金比』はいろいろな業界で活用され、デザインやアートだけではなく音楽業界でも使われることも多い。
例えば、曲を作るときにどの部分に一番の盛り上がりを持ってくるのか。
それ考えながら曲全体のバランスを安定させる。
ちなみに『黄金比』の比率は『1:1.618』で、それに近い比率でデザインすれば最も美しいデザインとして評価が高くなる。
日本で馴染みのある『白銀比』
日本人が魅かれやすい比率としては『白銀比』(1:1.414)が多く使われている。
『白銀比』を使った代表的なものといえば、A4用紙など言われるA判の用紙。
まずは、構図の基準の比率を知っておくと、バランスのいい写真が撮影できる。
『白銀比』についてわかりやすく説明しているサイトを見つけたので、こちらを参考に見てほしい。
写真は水平を意識する
写真を撮影する場合は、黄金比と合わせて水平を意識しておくことで被写体と背景とのバランスも一段と良くなる。
例えば、オリジナルアイテムをオンラインショップで販売する場合、商品を斜めに配置していても背景の水平が保たれていると安心感があって見やすく、商品に視覚を誘導させることができる。
もし商品の後ろの継ぎ目が斜めになっていると、斜めが気になって商品を集中して見ることができない。
なぜか心にモヤモヤ感が残ってしまって、商品も良いものに見えなくなってしまう。
オンラインショップに商品のサンプル画像を載せる場合、黄金比と水平線を意識することで良い商品に見える。
一眼レフカメラの撮影モードの違い
初めて一眼レフカメラを持った人は、どの撮影モードで撮影したらいいのか悩む人も多い。
初心者は一眼レフに慣れるまでは、自動で設定を合わせてくれる『オートモード(P)』で撮影する人が多い。
徐々に一眼レフに慣れてきたら、『絞り優先(AE)』や『シャッター速度優先(TvまたはS)』を試すといい。
しかし、プロの写真家を目指すのなら、絞り、シャッタースピード、ISO感度を全て手動で設定する『マニュアル(M)』モードで撮影できるようにしよう。
なぜなら、自分のイメージに近い写真を撮影するには自動では限界がある。
質の高い作品をつくるために、自分が経験して見つけた設定で自分らしい写真を撮影すること。
この気持ちを持って、一眼レフカメラの撮影をすることがプロカメラマンへの道なのである。
僕は基本的に『マニュアルモード(M)』しか使わない。
それはどんな時でも瞬時に、自分がイメージした写真を撮影する練習を欠かさないようにするためである。
最後に
一眼レフカメラの撮影はコンパクトカメラやスマートフォンと違って、細かく設定できることでイメージに合った写真を撮影することができる。
しかしカメラの機能を使いこなすためには、撮影を何度も繰り返しなが技術を上げていくことが重要である。
今回、話してきた一眼レフ上達のため7つの基礎知識は、
- ボケ感を調整する『絞り』
- シャッタースピードの調整
- ISO感度とは?
- ホワイトバランス(WB)の調整
- 光の効果的な使い方
- 画角を決める基準『黄金比』
- 一眼レフカメラの撮影モードの違い
だが、まだまだ一眼レフ上達のために必要なことはたくさんある。
7つの基礎知識をマスターできれば、『マニュアルモード(M)』で撮影することもできるだろう。
あとは、プロの写真家になっても常に勉強が必要である。
ある程度、写真の技術が上がってきたら次は海外向けに写真をアピールすれば、さらに写真技術を上げることができる。
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