以前に、この理想的芸術生活で書いた、トリックアートに関する記事。
自分が思っていた以上に反響があって、当サイトの中では上位を占める記事となっています。
やっぱり、“目の錯覚”が生む驚きと楽しさって、子どもでも大人でも関係なく魅了するんですね。
そこで今回は、ちょっとした遊び心から、デジタル作家をしている僕自身もデジタルでトリックアート風の作品をつくってみました。
そこで今回は、デジタルでトリックアートを制作した裏話をお届けしたいと思います。
スクリーンの中だからこそ実現できた、不思議な世界をご覧ください。
目次
トリックアートの魅力は“驚き”と“遊び心”
トリックアートの面白さって、最初に「ん?」と首をかしげさせて、次の瞬間に「そういうことか!」と気づかせてくれるところだと思います。
単なる絵や写真ではなく、“体験”として記憶に残り、さらに新しい“気づき”を与えてくれる。そんな仕組みをデジタルでも作れないかと、ずっと考えていました。
デジタルならではのトリックアート表現
現実世界でのトリックアートは、撮影角度や距離に限界があります。
でもデジタルだと、光の差し込み方も、視点の高さも、壁や床の形状さえも、自由自在。
物理法則を無視した、非現実的で自由な表現をしても何も言われない。それが、デジタルで作るトリックアートの最大の武器ではないでしょうか。
だから僕は、現実ではあり得ない、論理的思考を無視した世界を、自分なりのトリック的錯覚をマネてみました。
制作秘話『人の顔と花瓶』

最初の作品は、美術の教科書でもみたことがある人は多いのではないでしょうか。
中央に向かって同じ形をした人の横顔。
その横顔のシルエットをじっと見ていると、だんだん中央に花瓶が見えてきませんか?
同じ横顔を反転させ、中央に100%明るい光を作ることで、シルエットと光の境界線がハッキリと浮かび上がり、見る人にとっては、中央の花瓶がモチーフの絵に見えます。
白と黒の2色だけを使った作品ですが、デジタルで滑らかな人の横顔を描くのは意外と難しいもの。
人の顔に見えたり、花瓶に見えたり、それには光と影のバランスが上手くいかず、何度も作り直しました。
制作秘話『どこかに隠れている』

2つ目は、『どこかに隠れている』という作品です。
もう気づいたかもしれませんが、下半分に『カラスの横顔』が描かれています。
上の世界は幻想的な夜の世界ですが、その下には、明るくて心が癒されるとような世界。
現実にはあり得ないこの世界を描いていると「ただの2つの世界を描くだけでは面白くない。何か仕掛けを入れよう」と思ったことで生まれた作品です。
この作品が完成した時、「自分が作りたい作品は“日常と幻想の間にある静けさ”なのかもしれない」と思い、そこから『静かな幻想』を追求し始めました。
制作秘話『反転世界』

最後の作品は、『反転世界』です。この作品も、美術の教科書で見たことがあるのではないでしょうか。
同じ絵なのに、反転して見るともう一つの世界が見えてくる。
では反転させるとどんな世界が見えてくるのでしょうか?
本記事をスマホで見ているなら、スマホを反転させてください。
パソコンで見ている人は、、、逆立ちしてください(笑。
この作品の難しいかったところは、白と黒のストライプの床をどうすれば反転しても違和感なく見えるのか、影をどう使えば反転世界にも馴染めるのかでした。
これはデジタルだからできる光と影の微調整で、何度か作り直してようやく見つけた違和感のない反転世界です。
日常に溶け込む“視覚の魔法”
こうした錯覚の世界は、ただ驚かせるだけじゃなく、「この世界はまだまだ不思議に満ちている」という感覚を思い出させてくれます。
実は、この“日常と非日常が交差する瞬間”というテーマは、僕が展開している「幻想生活」のアート作品にも深く通じています。
定期的にデジタルアートに使う素材(写真)を撮り歩いていると、喧騒な街の中に一瞬だけ『静かな時間』が流れる瞬間があります。
僕にはその瞬間が『静かな幻想の世界』に感じるんです。
それは日常の中にある幻想で、日常に溶け込む“視覚の魔法”のようなもの。
もし、この感覚をもっと身近に感じてみたい場合は、下記の“幻想生活ArtRyo”を覗いてみてください。
まとめ
デジタルでも、視覚をくすぐる驚きは十分に作れます。むしろ現実ではできない表現ができる分、想像の幅は無限大です。
日常のなかに、小さな“目の錯覚”を仕掛けてみる。そんな遊び心が、世界をちょっと面白くしてくれるかもしれません。
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