こんにちは、京都の写真家リョウ(@ryo_creativephoto)です。
芸術活動を続けていくことで、アート作品を見てもらう機会は必ずやってくる。
「継続は力なり」という言葉のように、ポートフォリオサイトで作品を公開し続けていたり、人のためになるブログを書き続けたり、どんなことでも続けることが大事だ。
僕は現在、芸術系のブログを発信し続けているが、芸術家支援企業からのオファーメッセージがよく届く。芸術家にとって、作品を見てもらえるのは嬉しいこと。
芸術家支援企業からのオファーは嬉しい話だが、何も考えずに受けてしまうとトラブルに巻き込まれることも多い。
そこで今回は、芸術家支援企業からのオファーを断るか受けるかの判断基準について話したいと思う。
結論から言うと、詳しく話を聞いて違和感を感じるなら断り条件に合うなら受けても良いということになる。
実際に僕も芸術家支援企業からのオファーを受けた経験があるが、正直、良い企業か悪い企業かなんて見極めることは難しい。
そこで僕が実際に経験したことを当記事で共有するので、今回の記事を参考に芸術家支援企業からのオファーを断るか受けるかを判断してほしい。
目次
はじめに
本題に入る前に言っておくが、今回の話の中に出てくる芸術家支援企業について、その企業から宣伝の依頼で記事を書いているわけではない。
僕自身が芸術家支援企業からメッセージを受けて感じたことや、そのオファーを断るか受けるかを判断した基準について個人の意見として書いているものであり、100%正しいと言うわけではない。
最終的に芸術家支援企業のオファーを断るか受けるかは、あなた自身で判断してほしい。
芸術活動をしていると芸術支援企業からオファーがあるのは普通で「認められた」と喜ばず、その企業を徹底的にリサーチすることをオススメします。
芸術家支援企業が主催するグループ展に参加するまで
僕は2019年12月に、芸術家支援企業の株式会社クオリアート(以降「芸術家支援企業」と記載)が主催する神奈川県横浜市にある横浜赤レンガ倉庫のクリスマスイベントのグループ展に参加したことがある。
そもそも、なぜ芸術家支援企業が僕宛にオファーの連絡があったのか。
それは、理想的芸術生活ブログで芸術家になるための情報発信をしていたり、クリエイター向けの作品公開サイト「Behance(ビハンス)」で、アート作品の公開を続けていたことがキッカケだった。
これまでにも複数の企業から出展のオファーがあった。
ちなみに2024年になってNFTアートも始めたので、海外からのオファーも届くようになったが、それはまた別の記事で話しているので、そちらを読んでみてほしい。
複数の企業から出展のオファーがあったが、出展内容と出展費用のバランスが合わなず、全て断っていた。
そんな中、横浜赤レンガ倉庫のグループ展を主催する芸術家支援企業は、どちらかと言うと良心的な印象だった。
オファーを受ける決め手となったのは、出展内容、出展後のサポートなどが僕の予想以上だったからである。
その決め手になった内容をまとめると、次のような感じだ。
- 神奈川県の横浜赤レンガ倉庫という有名な施設での大規模なグループ展だということ
- 毎年5000〜7000人の来場者があるということ
- 出展する作品がプロの芸術家に審査してもらえること
- 審査結果が良ければそのまま海外に出展ができること
- 来場者からの作品に関するアンケートが見れること
- Tokyo Walkerの雑誌に作品を載せてもらえること
- 作品展後も芸術家支援を受けることができること
- 芸術活動の実績になること
これらのことを踏まえると、多少の出展費用が掛かったとしても、出展する価値はあると僕は考えた。
横浜赤レンガ倉庫のグループ展とは
神奈川県にある横浜赤レンガ倉庫は、赤レンガを使って建てられた建造物で倉庫を改造してできた文化施設である。
定期的に行われる、芸能系のイベントなどでも有名な場所。恋人のデートスポットやファミリー向けのカフェやショッピングなどもある。横浜へ出かける際に、一度は立ち寄ってみたい場所だろう。
そんな横浜赤レンガ倉庫では、2019年を含め過去4回にわたってクリスマスに約100名の芸術家の作品を出展する大規模なグループ展が行われていた。
先ほども話したように、過去のアート展でも「1回に約5000〜7000人の来場者数」を誇る、大規模なグループ展になる。
さらに一般の来場者からの感想を見ることができたり、プロの芸術家から作品の評価もしてもらえる。芸術家を目指す人にとっては、なかなか体験できない価値のあるグループ展になるだろう。
最近では子どもに社会的な経験やお金の管理を学ばせるために、オンラインのイラスト教室に習わせるご家族も増えている。
子どもが描いたイラストで最終的にグループ展を経験させたり、芸術に触れさせて表現力を育てる。
子どもは大人以上に発想力があり、その発想力で人々を幸せにする力を持っている。
子どもに芸術を触れさせる価値について詳しく書いた記事もあるので、ぜひそちらも読んでみてほしい。
行動したから経験できたグループ展
芸術家支援企業から連絡があったとき、最初は断るつもりだった。なぜなら、これまでにも何度か芸術家支援企業からのオファーがあったが、マニュアル通りに話す内容に嫌気がさしていたからだ。
僕は営業職には関わったことはないが、接客業や販売業を経験していたこともあって、マニュアルがあることぐらいは知っている。だからと言ってマニュアル通りに話されると、心がこもっていないことぐらいはわかる。
この時も「同じような連絡だろうと」思っていた。ところが話を聞いていると、担当者の話す内容に違和感を感じなかった。
もちろん営業のプロだし、話術が優れているのは当然だろう。だけど担当者の話を聞いていると、とても自然な感じで嫌な気がしない。
ファーストインパクトが良かったこともあリ、その時すでに心の中で「出展してみたい」と決めていた。
気になったらリサーチする
僕は気になることがあると、ネットやSNSの評価を調べるようにしている。もちろん今回の芸術家支援企業についてもリサーチをした。
すると当然のように、悪い評判と良い評判の比率が50%くらいある。
悪い評判はこちら。
「また連絡があったので断った」
「この時期になると動き出す芸術家支援企業。あらゆる芸術家に連絡してるみたい」
というような書き込みが多く、不安になるような口コミだが、一方では良い評判もある。
良い評判はこちら。
「おかげで芸術活動をする上で良い経験になりました。また出展したいです」
「自分の作品が他の人にどう思われているのかを知ることができました」
と言うような前向きな口コミもある。
芸術家として芸術家支援企業に支援してもらいながら活動の幅を広げれている人がいるのも事実。
良い評判があるから信頼できる企業とは限らないし、悪い評判が多いからと言って悪徳企業とも限らない。
最終的に判断するのは評判や口コミではなく、あなた自身で断るか受けるかの判断をしなければいけないのである。もちろん、横浜赤レンガ倉庫は有名なスポットなのは知っている。
「さすがに有名な場所で大規模で悪い商売はしないだろう」と思った僕は、主催している芸術家支援企業にもっと詳しく話を聞くことにした。
芸術家の作品をちゃんと見てくれている印象
当時の僕は、Photoshopで制作したデジタルアートを作っていた。オファーの連絡がある以上、僕の作品も見ているはずだ。
そこでまず、僕のデジタルアートについてどんな印象があるのかを聞くことにした。
これまで色々な芸術家支援企業からオファーがあったが、僕のデジタルアートの印象を聞くと、
「今までにない新しい作品ですね」
「すごく新鮮な感じがします」
「幻想的な世界観ですね」
というような感想ばかり。正直、誰にでも言えそうな感想だったので、それと同じような感想なら考える余地もなく断るつもりでいた。
だけどこの芸術家支援企業は長電話にもかかわらず、僕の作品についての感想を詳しく話してくれた。芸術家支援企業も仕事をしなければいけないので、収益目的なことくらいはわかる。
重要なのは「仕事をもらう」スタンスではなく、「芸術家と一緒に芸術の魅力を世界に伝えたい」と言う想いがあるかどうか。
この後でも話すが、このグループ展に参加するには費用が掛かる。それは当然のことで、僕に言わせれば無償で出展させてくれる企業の方が不安だらけだ。
大切なのは、出展後もサポートをしてもらえるのかと言うこと。
出展から出展後の芸術家へのサポート
今回の芸術家支援企業は、日本の芸術家のプラスになるような支援をしたいと言う協力的な部分が伝わった。
出展費用を支払った後は「イベント後はご自身で活動してください」のような体制だったら、自分で個展を開くのと何も変わらない。
出展費用を支払うのであれば、その後のサポートも大切だと言うことを話すと、とても協力的にサポートしてくれると言う気持ちが見えた。
それもオファーを受ける1つの判断となった。
無理のない投資は自分にとってプラスになる
その支援の想いが強いと言う部分は納得できたが、一番気になるになることが「出展費用」だろう。
出展費用については最初から気になっていたが、決断をする前に出展のメリットやデメリットを聞いてからの方が判断しやすい。
先に出展費用を聞いてしまうと「高い」と言う先入観がでて、芸術家支援企業の話が入ってこなくなる。
こうして詳しく芸術家支援企業からの話を聞いて感じたメリットが、次のようなものだった。
- 多くの人に作品を見てもらう機会ができる
- 大規模での作品展の実績ができる
- 海外進出への可能性が広がる
- 自分の作品の感想を聞くことができる
僕にとっては、自分の作品を広げる良いチャンスになるだろう。
一方でグループ展に参加するデメリットが次のようなもの。
- 出展費用(参加費用)が掛かる
- 芸術家支援企業の評判によって作品の価値が下がることもある
- 一度参加すると新たな出展オファーの連絡がくる
芸術家支援企業の評判というものは、あまり良く思われていないことが多い。
その理由は、オファーをしてくるのに出展費用が掛かるからだ。だけど先ほども話したように、僕からすれば無料で出展できる方が不安である。
もし「赤レンガ倉庫」と言う有名な場所にもかかわらず、無料で出展できると言われていたら断っていただろう。
大規模なグループ展の参加とその後の支援の内容を考えると、それなりに費用は掛かるのは当然である。
そう思って確認してみると、予想通り出展費用の総額が「約10万円」。もちろん、出展費用は自分が予想していたよりも大きく上回った場合は断ると決めていた。
ただ今回の出展費用に関して言えば、今後活動をする上で考えていた予算内である。
- 出展費用も予算内
- サポートも納得できる
- ファーストコンタクトも問題ない
全てのバランスを考えて、グループ展のオファーを受けることにした。
無理のない出展費用は芸術人生にとってプラスの投資になる。だけど、予想を上回る無理な投資は絶対にしてはいけない。
それぞれの芸術活動に合った予算内で投資する事が、芸術活動にとって大切なことである。
結果的に芸術人生のプラスになった
横浜赤レンガ倉庫のグループ展へのオファーがあってから決断するまで、いろいろ解決しないといけない項目がある。
僕が確認した項目をまとめてみたので、参考にしてほしい。
- 芸術家支援企業のリサーチ
- 主催会社や会場の過去のイベント検索
- 申し込み方法(出展方法)
- 出展費用
- 支払い方法
- 作品について担当者が感じた印象
- 出展作品について(既存の作品なのか新たな作品じゃないといけないのか)
- 出展作品の発送方法の確認
- 当日は在廊が必要か
- 作品のサイズの確認
- グループ展終了後から作品返却されるまでの流れ
その他にも、何か気になることがあれば納得できるまで聞くことが大切だ。
たとえ相手が面倒臭そうにしたとしても、費用を払ってまで出展をするのだから、相手のペースに巻き込まれないこと。
作品を見た人からの感想を知ることができる
僕が参加した横浜赤レンガ倉庫のグループ展では、見にきてくれる一般の方と芸術業界に関わる人の審査がある。
自分の作品が他の人からどう見られているのかを知るキッカケにもなるはずだ。
僕が出展したグループ展には審査があった。
その審査で優秀な作品に選ばれると、出展作品をそのまま海外で出展し、世界中の人にアート作品を見てもらえるチャンスにもなる。それを考えると、出展費用が「約10万円」は安い方だろう。
残念ながら僕の作品は海外へ行くことはなかったが、今回の横浜赤レンガ倉庫のグループ展に参加して良かった事は、見にきてくれた人から作品の感想が見れること。
作品の良い部分、共感できる部分など、見にきてくれた人からの感想アンケートを見ることができる。そのアンケートを見て僕は確信したことがある。
自分のアート作品が人の心を揺さぶることができて、さらに作品の想いに共感してくれる人がいると言うこと。
芸術家として知名度を上げるには、作品に対する想いに「共感」してもらえることが大切である。
僕が出展したグループ展のアンケートの中から、とくに嬉しい感想を書いていただいた6枚を紹介しておこう。
①

吸い込まれそう。今の自分の感情に合っている。すばらしい。
②

一目で作品にひきこまれた。水面に描かれた世界がとてもキレイで、この世界に行けたらいいなと思った。
③

とてもきれいです。色が好き。
④

さわがしさから解放されるような作品でした。
⑤

幻想的な空間がすごく良かったです。中心のイスに座りたいです。
⑥

天国のように感じた。死後の世界、美しさがイメージできた。
アンケートはまだまだあるが、こう言った感想を聞くことは今後の活動のヒントになる。
今回出展した僕のアート作品は、下記の『主の肖像画、夢想の光の中』と言うデジタルアート作品。
[ 作品のキャプション ]
仕事に疲れたり苛立ちを感じたりすることはありますか?
時には椅子に座って現実を離れ、幻想的な世界(夢)を想像してみてください。
あなたが想像する世界は、あなたが望んでいる世界。
その世界を創り上げるのは、あなた自身なのかもしれません。デジタルアート制作者 リョウ より
『主の肖像画』というデジタルアート作品は、いくつかのシリーズがある。
その誕生ストーリーについて、下記の記事で話しているので興味があれば読んでほしい。
その想いに共感してくれている人がいると知った時、グループ展に参加して良かったと思うことができた。
芸術活動の実績になる
グループ展に参加したことで、有名な文化施設のグループ展に参加したという実績も増えた。
確かに、今の時代は無名の芸術家に良い話を持ち出して稼ごうとする企業も多い。だからと言って、いつまでも受け身のままでは理想の生活を過ごすことはできない。
自分のアート作品にこだわりを持つことができれば、違和感を感じるオファー連絡がきたとしても「断る基準」をもてば判断ができる。
芸術家支援企業の想いを聞き、予算をオーバーしているかを考え、その後の支援について詳しく確認する。そうすることで、断るか受けるかの判断ができるだろう。
個人として芸術活動を続けていくには、こう言った「見極める力と判断力」が必要になる。
最後に
今回のように芸術家支援企業から突然のオファーがあった時、そのオファーがあなたにとって重要なものであれば受ける価値はある。
もちろん不安な部分はあるが、相手のペースに巻き込まれないように、あなた自身が納得できるまで相談することが大切だ。
とくに次のようなことは時間をかけてでも確認するといいだろう。
- どれだけの人に作品を見てもらえるのか
- 作品展の実績として公開してもいいのか
- 海外進出への支援はあるのか
- 作品の感想を聞くことができるのか
- 出展費用はどれくらいかかるのか
- 支払い方法は
- 自分の作品をどう感じてもらえたのか
- なぜ自分にオファーをしたのか
ただ忘れてはいけないのが、芸術家支援企業も仕事をしなければいけないため、多少の営業目的で成績を上げるためでもあるということ。
「仕事」になると、当然そこには「収益(請求)」が発生するのは仕方がないこと。それを踏まえて、オファーの内容に納得ができるかどうかで判断すればいい。
SNSで評判を見ることもネットで口コミを見ることも大切だが、最終的にはあなた自身で判断することになる。つまり芸術家、いやフリーランスは全て「自己責任」になる。
相手の企業がどんな会社で、自分にとってどんなメリットがあるのか。その見極める力を身につければ、断るか受けるかの判断ができるはずだ。
これから画家や写真家のようにフリーランスとして芸術家を目指すなら、全て自己責任になってくる。と言っても「どうしても判断ができない」となる場合もあるだろう。
そんな時は、当ブログのお問い合わせページから僕宛にメッセージを送ってほしい。
相談は無料。僕が経験してきたことでよければ、何か提案することができるかもしれない。
そして僕にもまだまだ経験できていないこともあり、あなたの意見を参考にさせてもらうこともあるだろう。
一緒に芸術の魅力を広げていけたら嬉しい。
コメント