絵が購入されない原因 | 自分の価値を自分で下げていることに気づいていない

ブランディング

SNSで絵の新作を公開したり告知をしているのに、絵が購入されないのはなぜ?

そんな悩みを抱えている画家に言っておこう。絵が購入されないのは、作品を売ることばかり考えていて相手の嫌がる売り込み投稿ばかりをしているからである

売り込み方を間違えてしまうと自分で自分の価値を下げてしまい、信頼も共感もされなくなってしまう。

今回は、自分というブランドの価値を下げないように、どう気をつければ良いのかを話そうと思う。

自分の価値は自分でつくるもの

『自分』というブランドの価値は誰が決めるのか。

例えば、絵を描いている人『画家』の価値を決めるのは、

  • アート作品を集めるのが好きなコレクター
  • 芸術支援をしている企業
  • 絵を見にきてくれる人

確かにいろいろな人から評価されることで、画家の価値が上がっていく。しかし『自分』というブランドの価値は自分自身でつくるものである。

ブランドの価値とは

そもそも『ブランドの価値』とは、どういう意味なのだろう?

ブランドとは、時間や費用を払ってでも得たい価値のあるもの(商品やサービスなど)。

価値とは、あるものを他のものよりも上位に位置づける理由になるもの(人にとってプラスになるもの)。

それを考えると自分という『ブランドの価値』とは、相手にとって自分は時間や費用を払ってでも交流したい人と言うことである。

絵の価値とは

絵の価値とは、画家がどう言った想いでその絵を描いたのかを知り、その想いに共感できた時に初めてその絵の価値を感じることができるもの

しかし、無名の画家が優れた絵を描いたところでその価値を感じることは難しいもの。

その価値を感じてもらうために、画家の人生を発信することも大切なのである。

誰が『自分』の価値をつくるのかと言うと、それは自分自身である。

悩む価値の設定

画家やデザイナー、音楽家や写真家。

全ては自分で自分の価値に対して、値段を設定する必要がある。

僕はデジタルアート制作活動をしていて、次のようなことに悩まされたことがある。

  • 「自分が描いた絵の値段が高いと思われないだろうか?」
  • 「依頼者からかなり安く値段交渉されている」
  • 「周りに宣伝するという条件で無料でと言われた」
  • 「依頼者から『他の画家さんはもっと安い』と言われた」

絵の世界やデザインの世界では、値段に関してどの値段が正しいのか決まりはない。

画家の価値で値段が決まることがほとんどである。

だからと言って自分へのこだわりをなくしてしまうと、『自分』というブランドをつくることはできない。

『自分』というブランドに価値をつくりたければ、こだわりをもつこと。

  • 値段設定
  • サービス内容
  • 受ける依頼の種類
  • 時間設定

など、自分にこだわる部分をつくることが大切だ。

僕がデジタルアート制作や写真撮影の仕事をする上で、こだわっている部分を紹介しておこう。

  • 自分が決めた基本の値段よりも安く要求されたら受けない
  • 納期について無理難題な日程を言われたら受けない
  • 3日以内に返事がない人とは仕事をしない
  • 「忙しい」を連呼する人とは仕事をしない
  • 事前の打ち合わせは必ずする
  • 休みの時間は仕事のことを考えない

このようなこだわりがある。

これを見ると『自分勝手』と思われるかもしれないが、仕事の質を上げるためには重要なことである。

このようにこだわりを持つことが、『自分』というブランドの価値を上げることに繋げることができる。

価値が下がるような条件なら断る

自分というブランドの価値を下げないためにも、『自分』へのこだわりを強く持つこと。

そして、価値が下がるような条件を提示されたら断ることも大切である。

僕はグラフィックデザイナー時代に、『自分で自分の価値を下げている』と言うことを経験している。

その経験から、自分にとって必要ではない条件を言われた時は断るようにしている。

デザイナー時代で学んだ『断る』勇気

僕が経験した、とてもストレスの掛かった仕事。

どんな仕事でも、この部分に関してストレスが掛かるものになるだろう。

それが『依頼者からの値段交渉』である。

グラフィックデザイナーをしていた時、依頼者から自分が設定した料金より大幅に安く値段交渉をされたことがある。

しかも古くからの知人だったため、断ることもできなかった。

当時の僕はデザイン実績を上げるために、

「破格の値段でも、依頼を受けなければいけないのか?」

と悩んでいた。

実はこう言った、お世話になっている人からの値段交渉が一番厄介な仕事である。

断れば付き合いがなくなり、周りに口コミをしてもらえないと思ってしまう。

しかし、仕方なく受けることは間違いである。

渋々受けると言うことは、仕事へのモチベーションが下がってしまい、質の高い仕事ができない。

いくらお世話になっている人であっても自分の考えている値段より大幅に安く言われた時は迷わず断ること

なぜなら、デザイナーとして『自分』という価値を下げるだけではなく、デザイン業界の価値まで下げてしまうことになってしまうからである。

その他にも、そのような相談がある度に自分の時間を使ってしまい、重要な仕事に集中できないからである

価値のあるビジネスなら共感してもらえるもの

自分が設定している値段より大幅に安く言われた時は、相手にしっかりと『自分のこだわり』について伝えることも大切だ。

どうしても自分に依頼したいと思ってくれる人なら、そのこだわりに共感してくれるものである。

それが『あなた』と相手との信頼関係にもつながる。

決して、「周りに宣伝しておくから」という言葉には気をつけること。

僕の経験上、そう言われて次の仕事に繋がった経験はない。

もちろん宣伝はしてくれているのかもしれないが、そこから先に繋がることはないと思っておこう。

ストレスを感じないために『こだわり』をつくる

無理をしてストレスを抱えてしまうと、モチベーションが低下し仕事の質も下がってしまう。

こうして、ストレスを抱えることで『自分』というブランドの価値を下げてしまうことになる

もし、どんなことをしてでも仕事を受けたいのであれば、破格の値段や無理難題な依頼を受けてもいい。

しかし、同業者からクレームを受けることになるかもしれないので注意しておこう。

知人からの無理難題はストレスになる

そして一番悩んでしまう状況が、お世話になっている知人からの無理難題な要求である。

先ほども話したように、断ってしまうことで、

「今後の付き合いに影響が出るかもしれない」

と考えてしまい、結果的に引き受けてしまうことである。

これが結構ストレスになる。

もし、あなたがその無理難題の依頼だと感じたら、勇気をもって断ること。

信頼関係が築けていればわかってくれる

自分と相手に信頼関係があるなら、自分のこだわりに納得してくれるもの

相手を攻めるより、まずは自分が価値を下げるということを頭に入れておかなければいけない。

知人の依頼者から無理難題な要求をされる原因は、これまでのやりとりの中で、

「お世話になっているので、特別に安くします」
「どんな希望にも柔軟にたいおうしますよ」

と言うようなやりとりがあったことが原因になっていることが多い。

その提案、本当に自分の為だと思っているの?

さらによくある状況として、依頼者から、

「経験を積むために協力する」
「君のこと宣伝しておくよ」
「どんどんSNSで宣伝するから無料で」

と言われることが、個人でビジネスをしているとよくあることである。

中には、それを条件に無理難題を言ってくる依頼者も多い。

上記のように、相手から提示してきた条件に対して、

「自分のために考えてくれているんだ」

と思ってしまうと、危険だと言っておこう。

仕事をした後で、

「これだけ時間をかけて仕上げたのに」
「自分の仕事の価値って何だろう?」

と悩んでしまい、どんどんストレスが溜まるだけである。

そうならない為にも、仕事を依頼する相手には自分の『こだわり』をしっかりと伝えておく必要がある。

では、自分というブランドの価値を下げないようにするにはどうすればいいのか。

  1. 自分が仕事に対する想いを、ブログやSNSで発信する
  2. 自分の仕事の基本料金を決めておく
  3. 基本料金を大幅に下回る交渉なら断る
  4. 無理難題な仕事は断る
  5. 自分の価値に合わない依頼は断る

これが『自分』というブランドの価値を上げる方法なのである。

但し、「その値段では受けれない」

と断るだけだと相手も気分がよくないし、トラブルになってしまう。

本当に信頼関係のある相手なら、自分の想いをしっかり伝えれば納得してくれるはずだ。

自分の値段設定に迷ったら時給を決めてみる

『自分』というブランドをつくるには、そのブランドに値段を設定して価値を明確にする必要もある

自分の価値の値段をどうやって決めればいいのか、わからない人のために値段設定のポイントを伝えておこう。

僕のアート制作の料金設定の仕方

『自分』というブランドの価値の値段を設定する場合、こだわりや仕事にかかる費用を自分で決める必要がある。

芸術と言うものは、サービス業と違って自分の基本の料金が無い。

ただ、『アート作品制作の相場』とネットで調べればたくさん出てくるが、目安として考えておいた方がいい。

では、僕のデジタルアート制作の料金設定を参考にして見ると、

①仕事に掛かった時間

  • 時給 × 〇〇〇時間

僕のアート作品制作の場合は、時給¥2,500~¥5,000位を目安に設定している。

例えば、今持っている写真素材を使ってデジタルアートをつくるのなら、撮影費用は掛からないので、

《時給 / ¥2,500》+《作品サイズ》

新しい素材を撮影する必要がある場合は、撮影費用も掛かるので、

《時給 / ¥5,000》+《作品サイズ》

と言う感じに設定している。

②アート制作に掛かった費用

  • 画材道具(キャンバス、絵の具、筆)などの材料費
  • 制作に使用した部屋の電気代、水道代など
  • 作品の梱包費用、配送費用
  • 撮影に掛かった交通費

この①と②の項目を基準に考えると、

【① 時給 × 制作にかかった時間】+【② 制作にかかった費用 】= 《 アート作品の値段 》

ということになる。

※ これはデジタルアートを始めた当時の値段設定なので、現在は少し変更した部分もある。

信頼できる相手なら、あなたの設定した値段に対して絵の価値をわかってくれるはずだ。

最後に

『自分』というブランドの価値を、自分で下げてはいけないまとめとして。

  • お世話になっている知人でも、自分の仕事の値段を安く見積もってはいけない
  • 経験を積む為ために協力すると言う理由で、基本料金より下回ったり、無料で仕事を受けてはいけない
  • 「協力する」や「宣伝する」を信じて相手任せにせず、自分で自分の価値を上げる

このように、自分で絵の価値を下げてしまうと言うことは、芸術業界の全体の価値も下げてしまうことなる。

僕はプロの芸術家から、『自分』というブランドの価値を上げる知識について学ぶことができた。

その知識を身につけることで、自然と絵の価値も上がる。

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リョウ

リョウ

アートマネージャー。1974年生まれ。大阪出身。現在は京都府でアート×写真家の活動をしながら芸術家を目指す人へ理想の芸術生活の過ごし方について提案しています。2018年に京都で個展を開催。2019年に横浜赤レンガ倉庫でのグループ展に参加。2021年に奈良のクリエイターイベントに参加。現在はAI生成NFTアートについても研究中。

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リョウ

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アートマネージャー。1974年生まれ。大阪出身。現在は京都府でアート×写真家の活動をしながら芸術家を目指す人へ理想の芸術生活の過ごし方について提案しています。2018年に京都で個展を開催。2019年に横浜赤レンガ倉庫でのグループ展に参加。2021年に奈良のクリエイターイベントに参加。現在はAI生成NFTアートについても研究中。

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