クリップオンストロボの使い方 | 光を操ってアートな世界を出す方法

創作環境・ワークフロー

デジタルアートを作っていると、こだわりたいのが『光と影のバランス』です。

とくに、僕のようなデジタルアートの素材として写真を撮る場合、撮る時点で光と影のバランスを決めます。

そんなときに欠かせないのが、『クリップオンストロボ』です。

そこで今回は、デジタルアートにも必要な光と影を操る『クリップオンストロボ』について話したいと思います。

もちろん、Photoshopでも自由に光と影をつくり出せます。とはいえ、自然な光と影のリアル感は撮影時にしか出せません。

クリップオンストロボとは

クリップオンストロボとは、一眼レフの上部に取り付けて使用するストロボのこと。

結婚式のスナップ写真を撮っているカメラマンが付けているストロボですね。

クリップオンストロボを使用するメリットは、カメラ本体から離して自由な角度から光を当てることもできること。

作品用の撮影をする場合、一眼レフの本体についている標準のストロボは、あまりオススメしません。

なぜかと言うと、標準のストロボは正面からしか光を当てることができないし、光量も弱くてありきたりな写真になってしまうからです。

アートな写真を目的とした場合は、正面からストロボを当てるだけではなく、色々な角度から光を当てることでオリジナリティーのある作品をつくることができます。

クリップオンストロボは光を操るために必要

クリップオンストロボは、光と影を操るには必須のアイテムです。

『外付けフラッシュ』とか『スピードライトとも呼ばれています。

クリップオンストロボは暗い場所だけじゃなく、明るい場所でも使うこともあるので、1台持っておくだけで作品の幅がどんどん広がります。

クリップオンストロボで色々な角度から光を当てる

クリップオンストロボを使って撮影をするメリットは、好きな角度から光を当てれるところ

たとえば、こちらの写真。


撮影協力 : Color Clips

上の写真は、僕の知人のフォトグラファーが撮影した写真です。

この写真は、僕がデジタルアート作品集をつくるために撮影した写真です。

いわゆる、デジタルアートの素材として使うための写真です。

被写体の奥にクリップオンストロボを直置き(じかおき)にして撮影すると、このようなアートな写真を撮ることができます。

このように、一眼レフから離して光を当てることができるので、光と影を自由自在に操ることができます。

クリップオンストロボのメリットとデメリット

ではもう少し詳しく、クリップオンストロボのメリットとデメリットについてお話しします。

あくまでも僕が感じたメリットとデメリットなので、ぜひ参考にしてください。

クリップオンストロボのメリット

クリップオンストロボを使う主なメリットは、次の3つ。

  • ストロボの照射角の調整ができる
  • 自由な場所から光を当てることができる
  • アートな写真が撮れる

それでは詳しく見ていきましょう。

ストロボの照射角の調整ができる

クリップオンストロボは、光を当てる範囲(照射角)の調整ができます。

僕が持っている『Godox TT600』の照射角は、20mm、24mm、28mm、35mm、50mm、70mm、85mm、105mm、135mm、200mmと10段階の照射角の調整が可能です。

実際に『照射角 / 20mm』と『照射角 / 200mm』を比較した写真をご覧ください。

数字が小さくなると照射角は広くなりますが、光の届く距離が短くなり、被写体に当たる光が柔らかくなります。

数字が大きくなると照射角は狭くなりますが、光の届が遠くまで届くようになり、被写体に当たる光が強くなります。

ちなみに小物を使って、照射角/ 20mmと200mmを撮影するとこのような感じになります。

自宅のせまい部屋で撮影したので距離はわかりませんが、光が当たる幅と強さの違いがわかります。

ストロボを一眼レフから離して、撮る側から見て左斜めからストロボを当て、被写体との距離は約30cmの位置に三脚を立てて、そこにストロボを設置。

自由な場所から光を当てることができる

クリップオンストロボは、一眼レフから外して自由な場所から光を当てることができます。

いわゆる『リモート発光』という方法です。

この『リモート発光』をする場合は、一眼レフとストロボをシンクロさせるための『トリガー』が必要になりますが、後の項目で解説しているのでここでは割愛します。

トリガーについて先に知りたい場合は、『クリップオンストロボを最大限活かせるトリガー』の項目でご説明しています。

リモート発光することで、被写体に当たる光と影の調整が自由にできます。

このように、リモート発光を使うことで作品の幅がどんどん広がります。

アート用の素材を撮ることができる

クリップオンストロボで光と影を自由に操れるようになると、アートな素材として撮ることができます。

下記は、僕がフォトグラファーにお願いして、アート作品をつくるためにクリップオンストロボを人物の真横から当てて、顔半分に影をつくってもらったた写真です。

この時は、人物を使ったデジタルアートを作るために撮ってもらった写真。

そして、完成した作品がこちら。

デジタルアート 作品

このように、一眼レフから離して光を当てることができれば、アート作品を作ることもできます。

このようなアート作品をつくるには、Adobeの『Photoshop』を使います。

デジタルアートをつくる方法については、こちらの記事で解説しています。

クリップオンストロボのデメリット

もちろん、クリップオンストロボを使うデメリットもあります。

  • ストロボを購入する費用が掛かる
  • ある程度のストロボの知識が必要
  • 荷物が増える

ストロボを購入する費用が掛かる

クリップオンストロボを購入するのには、それなりに費用がかかります。

仕事をするなら、クライアント様に安心してもらうために有名メーカのCanonを購入する必要もあります。

純正のクリップオンストロボは発光する安定感はありますが、どうしても高額になってしまいます。

Amazonや楽天市場を探せば、コスパの高いストロボもあります。

例えば、YouTubeや作品撮りをしている人に人気がある、『Godox』や『NEEWER』というメーカーです。

ちなみに僕はGodoxの『 TT600』という機種を長年使っていますが、発光の安定性もいいし、プロ機種並みの発光パワーをもっています。

ある程度のストロボの知識が必要

クリップオンストロボを使う場合は、ある程度ストロボの知識が必要になります。

とくに、『発光量』や『照射角』の基本はおさえておきたいところ。

たとえば、下記の写真。

この写真は一眼レフにクリップオンストロボをつけて撮影した写真ですが、実は、晴れた昼間に撮影した写真です。

まず一眼レフの設定を『ISO100、F8、シャッタースピード1/125』。

ストロボの照射角度85mm、レンズの焦点距離15mmで撮っているのですが、夜桜のような写真を撮ることができました。

このように、ただストロボを発光させるだけではなく、どこに光を当ててどの程度の照射角にすれば夜のような写真になるのかは実際に使って何度も撮りながら身につける必要があります。

そこで、クリップオンストロボに慣れるまでにオススメしたいのが『TTL発光』です。

『TTL』とは、周りの環境に合わせて自動で明るさを調整して発光してくれる機能のこと。

いきなりマニュアル発光(手動発光)はうまくいかず、「クリップオンストロボ難しいもの」と印象をもってしまって使わなくなります。

なので、まず自動で発光量を決めてくれる『TTL』で撮影すると、クリップオンストロボでの撮影も楽しくなります。

ちなみに、Godox『TT600』で、光の数値と強さを比べてみると、下記の画像のような感じになります。

光の強さは「2〜128」で表されて、数字が大きい方が弱く数字が小さくなると光が強くなります

荷物が増える

クリップオンストロボを使う場合、荷物が増えてしまうのもデメリットになります。

それほど大きく重さもないですが、ストロボ、電池、予備の電池など、場合によっては三脚なども持ち運ぶ必要があります。

クリップオンストロボを最大限活かせる『トリガー』

せっかくクリップオンストロボを購入しても、一眼レフに取り付けて撮影していては、クリップオンストロボの本領を発揮できません。

一眼レフにつけて使うのなら、一眼レフの純正ストロボを使えばいいのです。

クリップオンストロボの本領が発揮できるのは、一眼レフから離した位置に設置して被写体に光を当てて使うのが効果的です。

先ほど話した、リモート撮影ですね。

そこで、リモート撮影に必要になってくるのが『トリガー』です。

通常はクリップオンストロボと同じメーカーのトリガーを使うことで、リモート発光を安定させることができます。

僕の場合は、もともと持っていたNEEWERのトリガーとGodoxのTT600の組み合わせで使っていますが、今のところ「発光しない」と言ったことはないので、そのまま使っています。

このトリガーをカメラの本体とクリップオンストロボに取り付けることで、ストロボと一眼レフを離してリモート撮影することができます。

クリップオンストロボの光の当て方

一眼レフから離して自由自在に光を当てることができる『リモート撮影』。

リモート撮影に必要な『トリガー』。

これでようやく自由度の高い写真を撮影することができます。

さらに自由度を上げるには、クリップオンストロボの発光部分の角度を調整します。

クリップオンストロボの発光部分は、上下数段階と左右360°角度を調整することができます。

では、発光部分の角度で光がどう変わるのか、ご説明したします。

天井や壁に向けて使うバウンス撮影

まずよく見るのが、発光部分を天井や壁に向けて反射した光を使ったバウンス撮影

発光部分を直接被写体に当てると光が強すぎたり、白飛びした写真になりやすいため、天井や壁に光を当てて反射した光を被写体に当てて撮影する方法です。

光を反射させることで、被写体に当たる光が柔らかくなり、自然な写真になります。

例えば、こちらの写真を見てください。

2枚の写真の上部写真は正面からストロボの光を当てた写真で、写真の下部写真はストロボの光を天井に反射させて撮影しました。

写真下部の方が背景と馴染んで柔らかい写真になっています(少し暗いですがそこはお許しください)

どちらが正解ということではないのですが、写真下部の方が自然で柔らかいですよね。

もちろん正面から光を当てて、良い写真になることもあります。

ストロボの光を天井や壁に反射させることを「バウンス」といい、バウンスで撮影することでストロボの光を柔らげて、被写体に自然な光を当てることができます。

アンブレラを使った撮影

スタジオ撮影ではよくアンブレラを使ってストロボの光を柔らかくして撮影しることもあります。

アンブレラとは、クリップオンストロボの光を柔らげたり、コントラストをつけたい時に使われるもの。

アンブレラを使ったクリップオンストロボ撮影

アンブレラという名前のように、光の範囲を調整する白や銀色の傘のようなものとイメージしてください。

アンブレラの種類にもいろいろありますが、透過ホワイトアンブレラでストロボの光を柔らげて使うフォトグラファーが多いです。

屋外の撮影でアンブレラを使う時に注意することは、風の抵抗を受けやすいアンブレラは、少しの風でも倒れてしまいます。

アンブレラが倒れてしまうと、クリップオンストロボもアンブレラも壊れてしまって、撮影ができなくなります。

屋外でアンブレラを使用する場合は、アンブレラを取り付けたスタンドを支えてくれる人を手配すること。

そうすれば、屋外でも安心してアンブレラを使った撮影ができます。

もしアンブレラを持ってくれる人がいない場合は、三脚が倒れないように固定するしかありませんが、移動のことを考えると固定するのはあまりオススメできません。

支えてくれる人がいないけど、どうしてもストロボを使いたい場合は、アンブレラを取り付けずにストロボだけをスタンドに付けて撮影しましょう。

クリップオンストロボの光を弱く(数字を大きく)すれば、柔らかな光になります。

夜の屋外はドラマティックなシーンがたくさんある

ドラマティックな写真をイメージするなら、理想の撮影環境は次のような感じです。

  • 晴れている日よりも曇りや雨の日
  • 昼間の明るい時間よりも夕暮れの時間

とくに、夜の屋外や雨の日のはドラマティックに感じる世界がたくさんあってチャンスです。

そんな薄暗い環境での撮影は、カメラの設定だけで被写体を明るく撮るのには限界があります。

そんな時のためにも、クリップオンストロボは持っておいた方がいいでしょう。

最後に

今回は、クリップオンストロボの使い方についてお話ししてきましたが、いかがでしたか?

もし今よりも作品のクオリティーを上げたいと思ったなら、クリップオンストロボを取り入れて、光と影のバランスにもこだわってみてください。

光を操ることができれば、デジタルアートで光と影を使って幻想的な世界を作ることもできます。

東京で撮影したモデル写真で作ったデジタルアート
作 : デジタル作家R.i.

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デジタル作家 R.i.

デジタル作家 / R.I. デジタルアートを中心に、PhotoshopやFireflyを使った制作を続けている。 表現を続ける中で、「才能」よりも「環境」と「道具」の重要性を強く感じるようになり、制作を支えるツールや考え方を記録する場として、理想的芸術生活ブログを運営。このブログでは、作品そのものよりも、作家として制作を続けるための思考や制作環境について発信している。

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