芸術活動をしていると、自分の作品をアピールすることも大切な事。
SNSを見ていると、
「こんな絵を描いてみました」
「オンラインショップで販売しています」
「今なら格安で販売中」
と言うように、作品の売り込み投稿をしているのをよく見るが、それは正解なのだろうか?
僕の経験からすると、SNSでの作品の売り込み投稿は信頼感どころか不信感をもたれてしまうケースが多い。
なぜならSNS利用者からすると、流れてくる広告の多さにストレスを抱えているユーザーが多いからである。
今回の記事では、SNSでの売り込み投稿の危険性と自然な売り込み方について話そうと思う。
目次
はじめに
現在の僕は写真家をしているが、以前にデジタルアート作家をしていたことがあり、なんの知識もなく完成した作品をSNSで売り込みばかりしてた。それが原因でフォロワーが減り、アカウントもロックされたこともあった。
その失敗した経験を元に、本記事を書くことにした。
本記事の目的は、炎上商法を減らしてストレスなくSNSを活用できるようにしたいこと、芸術家の印象が悪くならないことを願って書いている。
本記事を読んで、間違えた売り込みをしていると気づき、それが改善できることを願っている。
SNSで絵の売り込みはスルーされるだけ
一瞬で世界中に拡散できて、どこにいても反応がすぐに見れるSNS。
「何とかして自分の絵が購入されたい」
「芸術家として認知度を上げたい」
と言う強い思いがあるのはわかる。
芸術家にとって作品購入実績、認知度がどれだけ重要なものか僕も知っているし、SNSの利用者数がどんどん増えている今の時代に、活用しないリスクについても理解している。
だからと言って、焦って作品を売り込むのはとても危険な行為である。
よく考えてみてほしい。
もし自分のSNSのタイムラインに、「わたしの絵を見てください!」「今ならこの作品を安く購入できます!」と言う売り込み投稿が流れてきたらどうだろう。
無名作家の作品が流れてきたところで、興味のない投稿は躊躇なくスルーはずだ。スルーするくらいならまだいいが、あまりにも売り込み投稿が多いと通報される可能性だってある。
僕自身、そのような売り込み投稿をしていたのである。
例えば、下記のようなツイートを投稿したことがある。
テキスト部分を簡単に好きな言葉へカスタマイズできる招待状カードをおしゃれなアイテムが豊富にそろっているオンラインショップZazzle(ザズル)にアップしました。 #artwork#design https://t.co/3iXQQ9DM21 pic.twitter.com/LNZEBpNFGZ
— デジタルアート×写真家 / リョウ (@ryo_designer) February 11, 2019
この投稿を分析した結果『いいね』は2つもらえたが、オンラインショップへの誘導率は『0%』だった。
もし僕のアカウントにこのような売り込み投稿が流れてきたら、『いいね』もせずにブロックするだろう。
そもそも、SNSではどうして売り込み投稿が嫌がれるのか。
それを知れば、解決方法が見えてくるはずだ。
売り込み投稿が嫌われる原因
では、なぜSNSでの売り込み投稿が嫌われるのか。ブログやサイト、メルマガでの売り込みは受け入れられるのに。
その答えを先に言うと、そもそもSNSはマーケティングに向いていないツールだからである。
SNSは交流を目的としたツール
一般的のSNSは、ユーザー同士が交流するためのツールである。
例えば、写真家の僕がSNSを効果的に使うとしたら、僕の写真に興味を持ってくれた人に向けて写真撮影をしている様子や、僕がなぜそのような写真を撮るようになったのかを発信していくために使う。
そして時々、撮影した写真を公開して「今日は〇〇へ行ってモデルの方と作品撮りをしてきました」と、その日の出来事を話す。
僕はSNSでは売り込みをしない。もちろん、過去に売り込み投稿をして失敗して、その危険性を知っているので、SNSでは売り込まず別の場所で売り込みをしている。
SNSは僕に興味を持ってくれた人との交流のために使用しているので、フォロワーが少なくてもあまり気にならない。
こちらが僕のインスタグラムです。
SNSは広告だらけ
SNSを使う人が増えてきていることで、SNSに広告を出す企業や個人が増えている。
ネットで広告を出すより安いし、若い世代をターゲットに広告を出すことができる。
ただ、広告の数が多くなってきていることで、SNS利用ユーザーもうんざりしているのも確かだ。
せっかく仲の良い人とのその日の写真を投稿しあっているのに、突然「作品が安く買えます」と興味のない投稿が流れてきたら、友達との楽しいやりとりが冷めてしまう。
作品を売り込むなら、その作品をつくっている作家に興味をもってもらい、「あなたが作る作品は私にとってとても必要なもの」と思ってもらった後が効果的である。
この知識を『DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)』と言うが、ここで話すと長くなるので、興味があればネットで調べてみてほしい。
理想的な作品の売り込み方
では、どうやって作品を売り込めばいいのかと言うと、集客できる場所を作り自然に購入に繋げる仕組みをつくることである。
それにはまず、下記の2つを身につけることである。
・購入につながる仕組みをつくる
自分をブランディングして人を惹きつける
SNSを使っているユーザーは、売り込み感が少しでも見えてしまうと簡単に離れてしまう。そこで、『自分』というブランドの価値をつくりそこにユーザーを巻き込むことである。これを『セルフブランディング』と言う。
この『セルフブランディング』の知識を身につけることで、売り込み感を出さずに自然と人を集めることができる。
下記の記事では『セルフブランディング』について話しているので、合わせて読んでみよう。
購入につながる仕組みをつくる
作品を自然に購入につなげる仕組みをつくるのに必要なのが、会員制のグループツールである。つまり、会員になった人しか知ることができない情報を発信しているクローズドな場所。
例えば、
・オンラインサロン
・LINE公式アカウント
・非公開Facebookグループ
・ファンクラブ
などがある。
こうした交流できる場所で、直接質問を受けたり悩みや絵に対する想いを語り合ったり相談できる場所をつくることで信頼関係が生まれてくる。
そうやって信頼関係を築いていくと、自然な流れで作品の売り込みがしやすくなる。
3つのSNSを使い分ける
SNSに投稿する内容は、それぞれの使い方があるので、「こうすれば良い」と断言することはできないが、3つのSNSについてオススメの使い方を紹介しよう。
Facebookは、リアルな友達のつながりが基本になる。
とくに注意することは、Facebookでは売り込み感のある投稿はしないこと。
せっかく信頼してつながってくれている友達に、嫌な思いをさせてしまうと友達解除されてしまう。
何を投稿すれば効果的に人を集めることができるのか時間を掛けて試験的に投稿してみよう。
X(旧Twitter)
X(旧Twitter)では絵に関する考え方や、ためになる情報などを発信している。
X(旧Twitter)は、1投稿の文字数が『140文字』という制限がある。
できるだけ140文字以内で、人のためになる情報を伝えるようにしている。
一言より140字でコメントを書いて投稿した方が、ユーザーからの反応が高いというデータもある。
できれば、画像付きの方が反応はより高くなる。
X(旧Twitter)では、アート専用アカウントと写真専用アカウントを使い分けている。
Instagramは、絵の価値を伝えるような文章を短めに書いたり、自分が画家になるまでに経験してきたことなどをストーリー的に投稿している。
もし作品の画像を載せたいのであれば、その画像に『クレジット(画家のロゴ)』を貼り付けて、勝手に作品画像を使用されないための工夫をすることも大切。
あと、作品に関わった人の名前もコメント欄に載せておくことも忘れないようにしよう。
Instagramもアート活動専用アカウントと写真撮影専用アカウントを使い分けているので、ぜひフォローしておいてほしい。
SNSで作品の売り込みはしないほうがいい
ここでもう一度言っておくと、SNSで作品の売り込みはほとんどスルーされると考えておいた方がいい。しかも、毎回のように売り込み投稿をしていると、SNSの管理者からアカウントを凍結される可能性もある。
できれば、SNSでは活動の状況や絵に対する想いうあ芸術家の悩みに答えるような投稿をしていく方が信頼されやすい。
作品の売り込みは、知名度や影響力がある場合は効果がはあるが、まずは作家として興味をもってもらえる投稿をする方が良い。
もちろん地道に投稿していく継続力は必要だが、その努力は必ず良い結果となって芸術家の成果にもつながる。
作品が評価されるためには、芸術家として価値を上げることを優先的に活動することをオススメする。
コメント