「絵が評価されない!」あせって売り込みをする前に、今の状況を把握することで解決策が見えてくる

芸術家

「自分の絵がなかな評価されない!」と悩んでいる芸術家は多く、その焦りからSNSで売り込み投稿をしたり、個展で絵を売り込んでしまいます。

だけど僕の経験上、その焦りから売り込みをするのは危険です。なぜかというと、相手にとって信頼関係を築けていない人からの売り込みはストレスにしかならないからです。

まずは信頼関係を築くことが購入につながる第一歩なのに、いくら優れた絵を描いてもその絵が高く評価されることはありません。

極端に言えば、SNSのフォロワーが多くても、売り込みしてフォロー解除の対象になることはよくあります。だって、そこには信頼関係がないのですから。

フォローはあくまでも表向きで『興味でフォロー』とか『相互フォロー』をするだけで、そこには信頼関係はありません。

SNSは交流することを目的をしたツールなので、SNSで売り込みをするのではなく、交流を増やして個展やオフ会につなげる一つの手段として活用します。

焦る気持ちはわかるが、ずは、今の自分の状況を把握して信頼関係を築く方法を考えることが、絵の評価を上げる一番の近道になります。

【今回の記事のポイント】
・絵が評価されない理由
・その時の環境に合わせる
・SNSで絵を投稿するメリットとデメリット

の3つに絞ってお話ししましょう。

実際に僕が経験したことを踏まえてお話ししているので、絵を売り込む時の参考にしてください。

絵が評価されない理由

まずは、自身の絵が評価されない理由について考えてみましょう。

「作品がなかなか評価されずに悩んでいる」と言った人の多くは、ブランディングがうまくできていないということです。

ブランディングとは、

ブランドに対する共感や信頼などを通じて顧客にとっての価値を高めていく、企業と組織のマーケティング戦略。

引用元 : ウィキペディア

つまりブランディングとは、芸術家が絵に対する想いやその絵を描いたストーリーを発信して、それを見た人に絵に価値をもってもらうこと。

もう少し噛み砕いて説明すると、相手に「自分にはこの絵が必要だ」と思ってもらうための売り込み方です。

認知されていない

芸術家として絵の評価を上げるためには『認知』されることが重要で、認知されていないうちは絵が評価されることはありません。

では、絵が評価されるために必要なことは何かというと「〇〇といえばこの作家」と認知してもらうこと。

例えば、 「イギリスのストリートアートといえばバンクシー」というように、独自の世界観を感じる絵を作り出し、なおかつそれを描いた作家があなたであると認知されることです。

認知されるために必要なこと

「〇〇といえばこの作家」と認知されるためには、それなりに時間はかかります。

もちろん運良くSNSでバズって認知度が急激に上がることもあるかもしれませんが、それはごく稀なケースで、認知度は地道に上げていくしかありません。

では、認知されるためには何をすればいいのかというと、一番効果的な方法は、個人サイトを作って想いを発信し続けることです。

例えば、僕は現在写真家として活動をする上で、写真撮影に対する想いを語っているコラム記事を発信しています。

記事のカテゴリーはいくつかありますが、コラム記事をメインに発信していて、僕がなぜシネマティック写真を撮っているのかとか、モデルと作品撮りをする理由などについて語っています。

そうやってコラム記事を発信し続けていると、モデルさんや企業からお問い合わせが届くようになり、そこからさらに僕のこだわりについて話すと仕事につながことがあります。

僕は写真家としてまだそれほど有名ではありませんが、一部の人には認知されるようになってきました。

正直、SNSのフォロワーは少ないですが、サイトの閲覧状況は年々上がって、現在では『検索順位の平均が『15.9位』となっています。

今の時代は、個人で芸術活動をするにはサイト運営は欠かせないツールとなって、認知度を上げるためにサイトをもつ芸術家も増えてきました。

焦りが生みだした間違えた芸術活動

どんなに認知度がある人でも焦りが出ることはあります。ただ大切なのは、そのような状況でも焦らずにその時の状況を分析して現状を把握することです。

もし今の状況を把握できないまま焦って売り込みを続けていると、周りからどんどん人が離れてしまいます。

絵が評価されずなかなか購入されないことで焦りがでて、SNSで絵の画像と一緒に「今なら安く購入できます」などと投稿してしまうと、絵の価値が下がって興味を持たれなくなります。

人は、認知度があるのに数が少なくなかなか手に入らないものを欲しがる心理があります。

例えば、「期間限定」と書いていたら気になりませんか?

認知度があるけど数が少ない商品があると、少々高額でも購入しようと考えませんか?

その行動の裏には『誰も持つていない優越感を感じたい』という心理が働くからなんです。

なので、焦って無闇にSNSで作品の格安投稿するのは危険というわけです。

ちなみに、僕は焦って作品の格安投稿をしたことで失敗した経験があるので、それを踏まえて話しています。

絵の評価ばかり気にするのもダメ

芸術家にとって、自分がの絵が高く評価されることはとても嬉しいことです。絵が高く評価されることは、その絵の価値が上がって高額でも購入されやすくなります。

だけど絵の評価ばかり気にしていると、独創的な絵が描けなくなってしまうので、絵の評価は芸術活動をする上で参考にする程度にしておきましょう。

まずはブランディングに集中して、ある程度の固定ファンを増やすことが、絵の価値を上げる方法になります。

自分で自分をブランディングすることを『セルフブランディング』と言って、芸術家には欠かせないブランディングの知識になります。

自身で得た知識は絵の価値につながる

絵の価値を高めるに「セルフブランディングが必要」だと話しましたが、、僕は当ブログの中で『セルフブランディング』について詳しく説明をしていません。

その理由は2つあります。

個人でビジネスをする人にとって重要な知識になるため、安易にブログで発信するとマーケターやコンサルからクレームがくる可能性があるから。

そしてもう一つは、自分自身で調べることも絵の価値を高めるためには必要なことで、自身で調べて得た知識は忘れることがないので、知識として身についていきます。

ちなみに、僕は『セルフブランディング』と言っていますが、次のように呼ばれていることもある。

  • 自分ブランディング
  • セルフプロモーション

これらの言葉を使って、Googleで検索してみてください。そして、気になる記事があれば、何度も読んで実践するのです。

そうすれば自分の知識となってインプットされ、それをまた他の人に教えてアウトプットする。このインプットとアウトプットが知識として身につくのです。

僕はこの『セルフブランディングの仕組み』を1年掛けて作りましたが、安定して運営するまでは最低でも2〜3年は掛かります。

仕組みが完成するまでは大変ですが、一度つくってしまえばあとは更新するだけなので、作業にはそれほど時間はかかりません。

時代に合わせて『今』を分析する

時代は常に進化していくものなので、時には予期しない出来事もあります。そんな時代の流れに対応していくには、常に『今の自分の状況』を分析して軌道修正していくことも必要です。

未来の変化に対応していく唯一の方法は、自分分析をして軌道修正することを続けていくこと。そして、時代に合わせてセルフブランディングもアップデートしていかなければいけません。

そんな時に、個人サイトを持っていると有利です。その時代の困難を乗り越える方法を発信すれば、信頼してくれる人が増えてファンへと繋がります。

最後に : SNSで絵を投稿するメリットとデメリット

最後に、僕がSNSに作品を公開して感じた、メリットとデメリットをお伝えしておくので、焦った時はそれを意識してSNSへの投稿に活用してください。

SNSに投稿するメリット

絵をSNSで投稿するメリットは、短時間で世界に拡散できるという点です。

場合によっては、絵を見た人からの感想やDMをもらえるかもしれないし、他の芸術家とのつながりもできるかもしれません。

他の芸術家の作品を見て、インスピレーションを湧かせることもできるでしょう。

それに芸術家支援企業から作品展のオファーがくることもありますが、出展する費用は芸術家の負担になるので、じっくり考えましょう。

SNSに投稿するデメリット

絵をSNSで投稿するデメリットは、無断で自分の作品の画像が使用されることもあると言うところ。

できれば芸術家が描いた絵の画像を無断で使う人はいないと信じたいが、「無断で使用された」とSNSで困っている人がいるのが現状です。

SNSやサイトの規約に書かれていても、そのルールを守らない人がいます。できれば、作品の画像には作家のクレジットを表記してプロフィール欄には「投稿画像の無断転載禁止」など書いておくことをオススメします。

絵が評価されない原因は、ブランディングができていないか、もしくは、そもそもブランディングの知識がないからかもしれません。

作品の評価を高めるには、認知度を高めて作品の価値も高めること。「この作家を知っているのに、なかなか手に入らない」と思われた時、作品の価値が上がったと思ってもいいでしょう。

そうなった時に改めてSNSで告知すると、購入にたながりやすくなります。

まずは焦らずに『今の状況』を分析して、改善点を見つけてくださいね。

リョウ(写真家)

京都の写真家。1974年生まれ、大阪出身。現在は京都府で写真家の活動をしながら芸術家を目指す人へ理想の芸術生活の過ごし方についてのブログを発信しています。2018年にプロの芸術家からブランディングやマーケティングの知識を学び、2018年に京都でデジタルアート展を開催。2019年に横浜赤レンガ倉庫でのグループ展に参加。2021年に奈良のクリエイターイベントに参加。現在は東京でも写真活動を行う。

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リョウ(写真家)

京都の写真家。1974年生まれ、大阪出身。現在は京都府で写真家の活動をしながら芸術家を目指す人へ理想の芸術生活の過ごし方についてのブログを発信しています。2018年にプロの芸術家からブランディングやマーケティングの知識を学び、2018年に京都でデジタルアート展を開催。2019年に横浜赤レンガ倉庫でのグループ展に参加。2021年に奈良のクリエイターイベントに参加。現在は東京でも写真活動を行う。

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