スマートフォンの普及率が上がり、SNSを使う人がどんどん増えてきてきました。
とくに「映え写真」という言葉を広げたインスタグラムは、一般の人だけじゃなく、企業がマーケティングに使うツールにもなっています。
そんなSNSの投稿を見ていると「写真を上手に撮れる人は画家にも向いているんじゃないかな」って思います。
その理由は、写真を撮る時に構図や光と影を意識して撮るからです。
そこで今回は、うまく写真を撮る写真家と心に響く絵を描く画家の共通点について考えてみました。
目次
写真と絵の共通点
今回のテーマは、現在「アート作家×写真家」として活動をしている僕だから浮かんできた疑問なのかもしれません。
「絵と写真の共通点は?」という疑問は、アートも好きで写真も好きといった人なら一度は考える疑問だと思います。
そこで僕なりに考えてみたら、絵と写真には次のような共通点がありました。
- 構図を意識する
- 光と影のバランスを考える
- 自分らしく表現する
では、一つずつ考えてみましょう。
構図を意識する
構図とは、決められたフレームの中に被写体をどこに配置するかというもの。
例えば、部屋の中にある椅子を描こうとした場合に、椅子を画角(キャンバス)のどこに配置するのかということ。
椅子を中央に配置するのか、3分の1の部分に配置するのか、構図によってその印象が違ってきます。
上記の作品は僕が制作したデジタルアートですが、椅子の配置を変えるだけで印象が違います。
とくに、写真を撮るときは魅力的に見える構図を意識して撮ると、バランスも良くなってストーリー性をだすことができます。
それほど「構図」は大切な要素なんです。
光と影のバランスを考える
絵でも写真でも、優れた作品をつくっている人の共通する部分は、光と影のバランスが魅力的なところです。
そもそも「光」に魅力を感じるのは「影」の存在があるからで、光と影にメリハリがあるから心地よく感じるのです。
ということは、光と影で作品にメリハリをつけることで絵や写真に魅力が生まれるということになります。
自分らしく表現する
表現の仕方は人によって違って、その表現の仕方で作品の魅力も変わってきます。
たとえば「今のこの瞬間の幻想的な空の風景を作品にしたい」と思ったら、あなたならどんな方法で作品にしますか。
- 手持ちのスマートフォンで自分らしい画角で写真を撮る
- その時の風景を思い出してスケッチブックに描いていく
- 色紙を使って手でちぎって貼り付けていく
- カラースプレーでその時の風景と幻想的にキラキラ感を入れる
- 文字にしてその時に感じた風景をストーリーで伝える
- メロディーをつくってその時の感情を歌にする
- 花を使ってその時見た風景と同じ色のお花でアレンジする
どんな技法を使っても、その作品はあなたにしかつくれない作品になります。
自分らしく表現するということは、心の中にある感情を吐き出すことができるため、ストレス発散になって心にゆとりをつくることができます。
これらのことを考えると、絵と写真には感情を吐き出すという共通点があることがわかります。
写真と絵は似ている?
写真と絵には『構図を意識する』『光と影のバランスを考える』『自分らしく表現する』の共通があることがわかると「写真が撮れるし絵にもチャレンジしてみよう」と思いませんか。
もちろんバランスについてはイメージできても、画力はすぐには上達しません。なんども描きながら描き方を身につける。
絵を描く人が写真にチャレンジするのも同じで、写真のイメージはできても、写真の撮り方を覚えなければいけません。
だけど、作品のバランスやイメージする部分においては、写真も絵も似ているのではないでしょうか。
写真の場合
写真を撮影する場合は「どの背景を切り取って被写体をどこに配置するか?」をイメージしてシャッターを切ります。
絵の場合
絵を描く場合は「背景や被写体をどのように配置すれば、自分の頭の中に描いた世界が表現できるのか?」をイメージしながら描いていきます。
そう考えると「写真も絵も背景や被写体をどのように配置するか」と言う共通点が見えてきませんか?
ここでようやく結論。
写真を上手に撮影できる人は、構図とバランスを意識するため、絵のイメージができて上達が早い。
絵が上手に描ける人は、キャンバスに描く風景のバランスを考えるため、写真の画角のイメージができて上達が早い。
ということになります。もちろん、撮影の基本や絵の描き方をマスターしている前提での話になります。絵は描き方や画力が必要になるし、写真はカメラの使い方の知識が必要になります。
その基礎さえ身につけば、写真家と画家の両立も可能でしょう。
知識を身につければ活動の幅が広がる
ひと昔前は「二足のわらじでは生活なんてできない」と言われていましたが、今の時代は、個人として差別化をするために、「二足、三足」が必要です。
そう「得意なことや好きなこと×仕事」を掛け合わせてビジネスを始める時代です。
「そんな夢見たいな話はない」と、夢を妨害するような人もいますが、気にせずに継続することが大事です。
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僕の場合で言うと、Photoshopで制作するデジタルアートとストーリー性のあるシネマティック写真を掛け合わせた、アート作家×写真家の活動が仕事になります。
では次に、写真と絵に必要な知識について話しておきます。
写真に必要な知識
一眼レフを持っている人はカメラの仕組みについて、ある程度の知識は持っているでしょう。
一眼レフをあつかうときに必要な知識は、次のようなものがあります。
- 絞り、シャッタースピード、ISO感度の知識
- ホワイトバランスの知識
- 光の当て方、影の出し方
- 人物撮影の時のポージング
- クリップオンストロボの使い方
その他にもありますが、上記の知識は一眼レフで写真を撮るときに最低限身につけておきたい知識です。
上記の知識をマスターすれば、自分らしい写真が撮れて作品の魅力を上げることができます。
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絵に必要な知識
絵を描く時は、ラフ画を描いて全体の絵をイメージすることが多いのですが、絵の描き方を身につければ、いきなり本番の絵を描くこともできます。
ちなみに僕はPCで作品を組み立てていく手法なので、偉そうなことはいえませんが、アクリル絵の具の練習はしています。
今練習中のアクリル絵の具で雲を描いてみました。上手に描くコツは焦らずに少しずつ重ねて描くことって教えてもらったけど、まだまだ焦りがある💦グラデーションも自分がイメージしている馴染み方じゃないな。もっと練習しなくては🎨 pic.twitter.com/qoR4nUdiOp
— デジタルアート | リョウ (@ryo_designer) November 20, 2020
絵を描くには、次のような知識を身につけておきたいものです。
- デッサンの知識
- 色の使い方(色の作り方)
- 画材の知識(塗り方)
- 各素材の描き方
- ジークレー版画についての知識
写真と絵の基本的な知識についての項目を挙げましたが、写真を撮影する時も絵を描く時も共通する知識が『黄金比』です。
黄金比とは、最も美しいとされているバランス(比率)です。
黄金比とは?
黄金比とは、デザインやアートを制作する上で、安定的で最も美しいとされている比率です。
黄金比を作品に活用する方法として、画角(フレーミング)の広さに対して被写体を置く位置を決める場合に黄金比を意識することが多いです。
例えば人物を撮影する場合、モデルの位置を決めるのに黄金比を参考にすることが多いです。
黄金比の比率として『1:1.618』の比率が最も美しいとされています。
この黄金比を取り入れている業界は多く、あなたの知っている業界で言えば次のような感じです。
- デザイン業界
- アート業界
- 写真業界
- 映像業界
- ファッション業界
- 建築業界
- 音楽業界
- お花業界
音楽業界では、1曲の時間の中で黄金比にあたる部分に盛り上がりを持ってくるとバランスの良い曲ができると言割れています。
例えば、1曲5分の曲があるとすると、黄金比に当たる部分が「約3分あたりの部分」。そこに一番盛り上がるサビをもってくることで、曲のバランスがよくなって聴きやすい曲になります。
このように黄金比の知識を知っておくだけでも、よりプロらしい作品をつくることができます。
最後に
写真と絵には共通点が多いため、写真を上手に撮れる人は絵の上達が早いと言えます。
もちろん、写真をとる基礎や絵を描くための画力を練習する必要がありますが、作品のバランス、構図、光と影、オリジナリティーを出すことができるので、より芸術活動の幅を広げることができるでしょう。
僕も写真とデジタルアートを掛け合わせた作品をつくりますが、世界に作品を届けるために「写真×デジタルアート×AI生成×NFTアート」を掛け合わせた作品をつくっています。
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