2020年1月に初めて日本国内で発見された新型コロナウィルス感染症。
その影響を受けて、様々な業界が痛手を受けている。
売上げが大きく減り、会社や店を閉めなければいけないと言う辛い状況に追い込まれる人も多い。
もちろん僕が現在活動している、アート業界や写真業界も他人事ではない。
この危機的状況を、どうやって乗り越えればよいのか。
それを乗り越えるには、今の状況を分析してその状況に合った新しいビジネススタイルを取り入れることである。
今回の記事を読むことで、個人の力がなぜ必要になるのか。
さらに、好きなことで生きていく方法を知ることができるだろう。
目次
個人の力が必要になる時代
まさか感染症の拡大で、こんな時代が来るとは誰も思わなかったのではないだろうか。
外に出る度にマスク着用が必要になったり、人との距離をとらなければいけなかったり。
飲食をする場合、大きな声で話してはいけなかったり。
企業に勤めていても、会社に行かずに自宅で仕事をすることが当たり前になっている。
これからは個人事業者の強みを生かす時代
そんな中で、活躍の場を広げているのが個人事業者(フリーランス)の力である。
なぜ個人が活躍できているかと言うと、企業と違って柔軟に動きやすく、個人で仕事をするためのブランディングのスキルを持っているからである。
個人で収益を上げるためには、次のようなスキルが必要になる。
- ブランディングの知識
- 販売につなげるための知識
- 人の心理を考えた宣伝の知識
- 企画力
- デザイン力
- 経理事務
会社で働いていると、それぞれの専門スタッフがいるが、個人事業者は1人でそれらの知識を身につけなければいけない。
そんな努力を続けていくことで、個人としての評価を上げていくことができる。
そこに気づいた企業は個人と組んでプロジェクトチームを作り、質の高い仕事をしているのである。
ただ、個人は企業に比べるとどうしても『信頼性』は下がってしまう。
その『信頼性』は、自分自身をブランディングすれば上げることができる。
信頼される『個人』になること
個人として『信頼』されるためには、自分自身をブランディングして価値を上げなければいけない。
このように、自分自身をブランディングしていくことを『セルフブランディング』と言う。
セルフブランディングを上手く活用すれば、

あなたにしか作れないデザインだからお願いしたい!
と『自分』にしか作れないものを持つこともできるし、

あなたの想いに共感できるから作品を買いたい!
と思ってもらうために、『自分』というブランドの価値を上げることもできる。
企業にとって、セルフブランディングができる個人と組むことで、会社のブランドも上がるメリットがある。
間違えた『個人』の売り込み
現在の世の中には、自分の得意を売るために個人として登録できるサイトがたくさんある。
ココナラとか クラウドワークスとか。
だけど、そのサービスを販売している人が、どんな人物かもわからないのに仕事を依頼するだろうか。
そのサービスを購入することで、購入者にどんなメリットがあるのかを普段から発信しなければいけない。
まず自分がどんな人物で、何のためにサービスを販売しているのか。
どんな想いで今の個人事業を始めたのか、などを発信していかなければならない。
1つの発信していく方法として、お悩み解決ブログを発信してSNSでセルフブランディングをする。
そこに共感してくれる人が、自分のサービスを購入してくれるのである。
いわゆる、自分の『ファン』を増やすこと。
これが、セルフブランディングの仕組みである。
個人で始める新しいビジネスとは?
美容師の経験やグラフィックデザイナーだった僕は、個人として自分らしい理想のビジネススタイルを取り入れた。
それが『芸術人生計画(クリエイティブライフ)』と言うものである。
現在の僕は、デジタルアートを制作したりシネマチック写真家として芸術活動をしている。
デジタルアートとは、パソコンでつくるアート作品。
複製がしやすいからと言って、データで仕上げるデジタルアートを始めた訳ではない。
そこには、自分なりのこだわりがある。
そのデジタルアートのこだわりは、ジークレー版画と言う最高品質の印刷を取り入れている業者に発注して、価値のある作品にすること。
日本では厳しい芸術の世界
日本では、個展を開いたり作品を販売して生活していくことは厳しいと言われている。
その理由は、海外と違って芸術作品の需要が少なく、芸術作品を家に飾ると言う文化に馴染んでいないからである。
では、なぜ僕がアート×写真家の活動を続けているのか。
僕は芸術作品だけで生活をしようとは考えていない。
もちろん自分が好きなアートと写真で生活ができることが理想だ。
だけど、無名の画家が芸術作品だけで生活していくのはかなり難しいこと。
僕の考え方は、自分の好きなアートと写真の活動を続けるために、どこにいても収益に繋げる仕組みを作る。
これが、僕のビジネススタイルであり、理想の芸術人生である。
写真家も難しい時代
これまでの写真撮影事業は『記念に残す写真』として、売り込む写真家が多かった。
- 結婚式の前撮り
- 成人式のロケ撮影
- 卒業記念撮影
- お宮参り
- 七五三
など。
人生の区切りとして、自分たちの記念に残す形で写真撮影をしてフォトブックをつくる。
しかし記念に撮影した写真をフォトブックにしても、押入れやクローゼットにしまわれることが多く、部屋を片付ける時や引っ越しの時に、
「そう言えばこんな写真を撮ったなぁ」
と、懐かしくなって見るくらいだろう。
もちろん、一生に一度しか撮影できない写真を記念に残すことには価値はある。
ただこれからの時代に、
『記念に残す写真撮影』
というコンセプトだけで、撮影の依頼を受けることは難しい。
得意を掛け合わせるサービス
これからの時代は、自分が得意なもの好きなものを掛け合わせることで生き残ることができる。
得意なものや好きなものが見つからないといった場合は、これまでの人生の中で経験してきたことや実績があることでも良い。
例えば先ほどの記念写真のサービスで言えば、
『記念に残す写真撮影×新しいビジネススタイル』
を考えなければ、写真撮影事業として続けることは難しいのである。
その理由は、今の時代には記念写真を撮るカメラマンは山ほどいる。
その中で生き抜いていくには、他のカメラマンのような写真を撮っていても差別化することはできない。
デジタルアートと写真
例えば僕の場合は、デジタルアート制作×シネマチック写真撮影を掛け合わせた活動。
僕の撮影モデルになる人は、意外とコラージュ作品やグラフィックな加工が好きな人が多い。
ポージングした写真を撮るカメラマンが多い中、レタッチだけでは価値を感じてもらえない。
それを芸術作品のように加工することで、特別な写真として価値を感じてもらえるのである。
ストーリー形式のフォトブック
何度も言うが、これからの写真業界はその時だけの記念に残る写真撮影をするだけでは厳しい。
長期的に楽しめて日常生活のも取り入れたくなるような写真撮影のビジネススタイルが必要になる。
例えば、ストーリー形式のフォトブック制作サービスを取り入れる。
人は、ストーリー性のあるものに興味を持つもの。
記念写真にストーリーをプラスすれば、絵本のように長く楽しむことができる。
さらに、レトロかわいい子供写真を撮れば、部屋に飾ることもできる。
子供の写真はいつの時代も喜ばれる
すでにストーリー性を重視した新しい写真撮影を取り入れて、サービスを始めている企業や個人も多い。
例えば、結婚式の前撮りの依頼を受けたとしよう。
結婚式が済んだら、次は子供の誕生という新しい命を授かる日がくるだろう。
子供が生まれるまでを『マタニティーフォト』の撮影で記録に残しておく。
その子供が誕生して10ヶ月までの間に記念として『ニューボーンフォト』の撮影をする。
そして、子供の成長を1歳、3歳、5歳、7歳と成長していく『成長記録』や『お宮参り』や『七五三』という形で記録に残す。
そんな子供の成長を綴った『ストーリー形式のフォトブック』制作を、写真撮影のプランに入れる方法もあるだろう。
この、子供の成長を綴ったフォトブックは親の楽しみだけではなく、おじいちゃんやおばあちゃんにも喜ばれて、とても価値のあるものになる。
高齢者の悩みを解決する写真撮影
高齢者に向けた写真撮影では、遺影写真撮影サービスがどんどん増えてきている。
もうすでに遺影写真撮影サービスを受けているところが『アスカネット』である。
経済産業省2012年の資料によると、ご自身の遺影の準備をしている人は4.6%だが、いつか準備をしなくてはいけないと感じている人は46.8%もいるというデータもある。
多くの高齢者が終活に向けて悩んでおり、それに向けた準備をしなければいけないと感じているのだろう。
こう言ったことも、写真撮影事業を続けるための新しいサービスとして取り入れる方法もある。
外部リンク
フィルムカメラからデジタルカメラになった影響
スマートフォンの普及やデジタルカメラの進化によって、フィルムカメラ時代と違って写真撮影を始める人も増えてきた。
フィルムカメラが誕生したのは1960年代。その後、1997年に普及ピークを向かえることになる。
その間に、1990年にはデジタルカメラの誕生により、フィルムカメラの需要がどんどん下がっていった。
それが理由で、写真現像業者の利用件数もどんどん減り、今では懐かしく感じる『写ルンです』などを買う人も減っていった。
デジタルカメラとフィルムカメラの違いは、撮影枚数の上限の違いが一番大きいだろう。
枚数に制限がないデジタルカメラの便利さ
フィルムカメラを買う時によく、「24枚撮り」などの表示があるのを覚えているだろうか。
フィルムカメラには、撮影する枚数に制限があったり、撮影した写真をその場で確認することができない。
その点、デジタルカメラには撮影できる枚数の制限はない。
撮影したと同時に写真を確認できることや、失敗してもすぐに消すことができる『便利さ』が人気の理由になっていった。
ただシネマチック写真家として活動をしている僕からすれば、デジタルカメラで撮影した解像度が高く綺麗な写真の質感よりも、フィルムカメラのレトロで懐かしさを感じる質感が好きだ。
スマホの誕生でデジタルカメラも減る
旅行やイベント・子供の成長記録としてデジタルカメラを持つ人が増えてきた今の時代。しかし、時代とはどんどん進化していくものである。
デジタルカメラを持つ人が増えてきた一方で、カメラ付き携帯の普及。その後は、スマホの誕生が原因でデジタルカメラを購入する人が減る。
さらにInstagramのようにSNS映えを意識した写真を投稿することを考えて、10〜20代をターゲットにした加工や合成ができるカメラ機能を持ったスマホの普及。
スマホで写真をとることが多くなったことで、自分でも映え写真を撮ることができるようになった。
こうしてプロのカメラマンに依頼せずに、友達と映え写真を撮影して写真を共有することが普通になる。
ここまでくると、カメラマンが写真の技術だけを提供するのが難しい時代になってきたのである。
新しい写真のカタチ
写真撮影事業について調べていくと、スマホの普及率が上がってきたことで、『写真を撮影する』という考えよりも『コミュニケーション』の一つとして考える人が増えていることがわかる。
自分が撮影した写真をSNSで友達や家族や恋人と共有する。それが、友達と話題をつくるキッカケにもなる。
ただ、スマホを使っている人の約56%の人がスマホに保存した写真をアルバムにしたいと思っているようだ。
それを考えると、フォトブック制作サービスを中心にした、新しい写真撮影ビジネスを取り入れることが、写真撮影事業を継続させるポイントとなるだろう。
まとめ
今回は、個人の力が必要になってくると言うことについて話してきた。
SNSでただ自分を売り込むのではなく、セルフブランディングを取り入れて『自分』と言う価値を上げることが大切である。
企業はセルフブランディングの知識がある個人と組むことで、自社のアピールにもつながる。
そう言ったことで、これからの個人の力が必要になってくることは間違いない。
コメント