【商品のイメージ写真の撮り方】オンラインショップ出品時の撮影方法を公開

オンラインショップ

「オンラインショップ出品時に載せる商品写真ってどうやって撮ればいいの?」

こんにちは、京都の写真家リョウ(@ryo_creativephoto)です。

オンラインショップでオリジナル商品を出品する時の商品写真って、案外むずかしいと思いませんか?

今回は、写真家として撮影経験がある僕が、オンラインショップに公開するときの商品写真の撮り方について共有するので、ぜひ参考にしてください。

はじめに

最初にいっておきますが、本業副業に限らず、オンラインショップでオリジナル商品を出品する際は、スマホではなく、一眼レフで撮影をすることをオススメします。

なぜなら、商品の質感が細部まで伝わりやすく写真表現の自由度が上がって伝わりやすくなるからです。

「一眼レフなんて高くて購入できない」と思うかもしれませんが、そんな時は、必要な時だけ一眼レフが所持できる『一眼レフレンタルサービス』というものがあるので、ぜひ活用してください。

では本題に入ります。

商品のイメージ写真で印象が変わる

オンライン販売で一番大切なことは、購入者にとって利用シーンがイメージできる商品の写真を公開することです。

その商品を購入しようか悩んでいる人にとっては、商品のイメージ写真は購入するための入口になります。

写真は文字と比べて伝達率が7倍上がるといわれているのを知っていますか?

ということは、その商品を利用している姿が想像できる写真を公開すれば、商品の購買率を上げることができるということになります。

といっても、どうやぅて「利用しているシーン」を撮ればいいのかわかりませんよね。

そんな場合は、オンラインショップで出品されている他の作家さんの写真を参考にすると、イメージしやすいと思います。

有名なオンラインショップといえば、『STORES』と『BASE』でしょう。まだショップを開業していない場合は、下記の記事を参考にして登録してください。

商品写真の具体例

商品のイメージ写真がどれほど重要なものなのか、僕がこれまでに購入率が上がった商品画像を元に解説していこうと思います。

ではさっそく、こちらの2つのイメージ写真の違いを見てください。

上記画像の「上」と書かれてある方は、装飾が多く騒がしさがあって商品に集中できない印象があります。

おしゃれには見えますが、商品に集中して見ることができないので、商品写真の1枚目にはふさわしくないんです。

それに対して「下」と書かれている写真は、とてもシンプルなので自然と商品に集中できます。

こいった商品写真を1枚目に使用することで、一瞬でも立ち止まって商品を見てもらえます。

その後に先ほどの「上」の写真をもつてきてもいいし、何枚かの写真の最後におしゃれなイメージ写真をもってくるといいでしょう。

さらに、下記のような写真を2枚目以降にもってくることで、その商品を使っている姿が想像しやすく、ノートパソコンと並べることで商品のサイズがイメージできます。

購入者が商品写真に求めていること

商品を購入する人は、商品のイメージ写真に何を求めているのかというと、

  • この商品を購入するメリット
  • 商品を使っている姿が想像できる
  • この商品と類似商品との比較

です。

この商品を購入するメリット

まず購入する人は、

「この商品は自分にとってどんなメリットがあるのだろう?」

ということを考えていて、そのメリットが想像ができるイメージ写真を求めています

もちろん、商品の詳しい内容は商品説明を読めばわかりますが、先ほども言ったように、画像は文字と比べて「7倍」伝達率が上がります

人は写真に魅力を感じたら次に商品説明を読みたくなり、どんどんその商品の魅力に巻き込まれて購入へとつながります。

ということは商品のイメージ写真に魅力を感じなければ、商品説明すら読んでもらえないということになりますね。

実はこの法則はSNSにも同じことがいえて、投稿写真を見てその背景を想像することができれば、そのアカウントのプロフィールを読んで興味をもってフォローします。

なのでSNSを集客目的で始めるなら、写真がメインになるインスタグラムやPinterestがおすすめなんですね。

ユーザーは3秒で魅力のあるものかどうかを判断をすると言われているように、商品のイメージ写真を3秒以上見てもらうことができれば、購入につながる可能性が高くなります。

では購入しようと悩んでいる人に、3秒以上商品写真を見てもらうにはどうすればいいのでしょう。

その答えは、購入しようとしている人が商品を見て利用している姿が想像できる商品写真をつくること

商品を使っている姿が想像できる写真

たとえば、飲食店へ行った時の料理の写真が入ったメニューを思い浮かべてください。

だいたいの飲食店では、斜め45°上から見た料理の写真が多いと思いませんか?

その理由は、料理がテーブルの上に並んだときのお客様が料理を見る角度が、だいたい斜め上45°だからです。

日常生活の中で感じるもものは体が自然に覚えていて、飲食店のメニューを見てその料理が目の前に並んだ風景が頭の中で想像してしまいます。

そのときに、美味しそうだとイメージできた料理を注文をする。

ということは、商品写真を見て自分がその商品を使っている姿を想像することができれば、その商品についてもっと知りたくなって商品説明を読みます。

ちなみに真上から撮っている商品写真をよく見ると思いますが、真上から撮る目的は、商品をおしゃれに見せたいとき、料理の多さをアピールしたいときなどによく使われています。

その商品を使用している感じを想像してもらいたい場合は、「斜め上45°」を意識して撮るようにしましょう。

この商品と類似商品との比較

ユーザーは常に、この商品と他の人が販売する商品との比較をしています。

この商品が他の商品と違う点、他では感じることのできない魅力などが商品写真でも伝わることが大切です。

比較するといっても、商品詳細欄に他のショップを名指しして比較するのではなく、

「24時間365日、キレイな髪質でいられるのは自然素材を取り入れている当店だけ」

「購入したこの商品をSNSに投稿したことで、100人のフォロワーが増えたと喜んでもらえました」

というように「この商品を利用しないと感じることができない部分があるよ」と限定感を伝えればいいんです。

ただし根拠がなく、ざっくりした商品説明ではなく、数字でいい表せれるような根拠のある商品説明の方が購買意欲は高まります。

「当店のハンバーグは美味しいと評判です」

と書いてあるのと、

「当店自慢の300gのハンバーグを食べたお客様の10人のうち、8人の方からボリューム満点で美味しいといっていただいております」

どちらの文章が具体的な姿が想像できるでしょうか?

商品写真を撮影する道具

ではここから、商品のイメージ写真を撮影するために必要な道具について話していきます。

カメラ(できれば一眼レフ)

まず当然ですが、商品写真を撮影するためには、カメラは必要ですね。

最近は、オンライン販売サイトと提携している印刷サービスを使えば、わざわざ撮影用に商品を購入しなくても、イメージ写真がつくれれるサービスがあります。

だけど、そういったサイトでつくったイメージ写真はリアリティーがなく、商品を利用している姿が想像しにくいんです。

おしゃれではあるけど、そのサービスを使っている他の人と同じ部屋の写真になってしまうし、差別化することができません。

商品の魅力を伝えるなら、自分で撮影するかプロのカメラマンに撮影を依頼するほうが、確実に魅力的な商品写真をつくることができます

もちろん撮影道具をそろえたりカメラマンに依頼する費用はかかりますが、そこにかかる費用をケチってしまうと、いつまでたっても魅力のある商品写真はつくれません。

そして、ここが一番重要な部分です。

もしご自分で撮影をする場合、スマホカメラではなく、できれば一眼レフカメラで撮影をするようにしましょう。

その理由を詳しく解説しているサイトがあるのですが、それは僕が運営している写真家公式サイト(COA)の中の記事です。

僕が以前スマホで商品撮影をしたときの失敗談をもとに解説している、とても役に立つ情報なので読むことをおすすめします。

自宅でも商品撮影ができる!自然光が入る窓ぎわで商品を魅力的に撮る方法を解説
ーリョウのCreator Of Artのブログよりー

一眼レフの画質は最強

最近のスマホでも高画質で綺麗に撮影することはできますが、それでもまだまだ一眼レフの画質には及びません。

そもそも一眼レフカメラとスマホカメラとではイメージセンサーのレベルに差があり、いくら高画質なスマホでも撮影した画像を拡大すれば荒くなります。

一眼レフの場合は、拡大しても画像の荒さも出ないし、背景のぼかし具合も調整できて明るく撮影することができます。

「副業で商品を販売する」それは立派な仕事です。それなりの撮影道具を持っておくことも大切です。

オンラインショップに公開する商品の写真を撮影するなら「3万〜7万円」のアマチュアクラスの一眼レフでも十分です。

中古なら、中堅クラスの一眼レフカメラがレンズ付きで「5万円代」で購入できるものもあり、中古でもストレスなく撮影することができます。

照明機器

商品を魅力的に見せるには自然光が良いと言われています。

その理由は、購入者はその商品を照明を当てながら見ているわけではないし、部屋に差し込む自然光や屋外での自然光の下で購入した商品を使用することが多いからです。

照明機器を使用する場合は、できるだけ自然光に近い光の強さや角度から当てることが大切です。

もし光の角度にこだわるなら、クリップオンストロボを使うのも1つの方法でしょう。

バック紙

商品を効果的に見せるために、オシャレなバック紙(背景シート)を使用して撮る方法もあります。

バック紙(背景シート)を使う場合は、あまり派手すぎず商品がバック紙に負けないようなシンプルなものがいいでしょう。

僕がオンラインショップを運営していた時はよく、このようなバック紙(背景シート)を使っていました。

とくに白系の木目調のバック紙は、オシャレに見えて商品の魅力をさらに上げることができますよ。

商品が小さな商品なら、上記の「A3サイズ(297×420mm)」のバック紙で十分に使えます。

装飾物

装飾物については、そこまで入れる必要はなくワンポイントとして考えておいた方がいいでしょう。

理由は『商品の写真で印象が変わる』の項目でも話したように、装飾物が多いと、

「何を販売しているのショップ?」
「何がメインの商品なんだろう?」
「何を伝えたいんだろう?」

と、購入者にとって迷いをあたえてしまって離脱につながるからです。

「インパクトのある商品写真にしたい」という思いが強すぎると装飾が多くなってしまい、メインの商品が埋れてしまうので、装飾は隠し味程度に考えておきましょう。

商品写真を撮影する時のポイント

一眼レフで少しでも魅力を感じてもらえるような商品写真を撮影するには、一眼レフの撮影の基本も必要になってきます。

なのでここからは、商品写真を撮影するコツについてまとめてみたので、ぜひ参考にしてください。

光の使い方

光の使い方については、先ほど『商品写真を撮影する道具』で説明したように、自然光で撮るか自然光をイメージした照明のセッティングで撮ることが大切です。

商品をおしゃれに見せたいからといって、メインの商品に光と影のメリハリを入れすぎると、利用している姿がイメージしにくくなってしまいます。

できるだけ自然に光が当たっていることをイメージして、商品写真を撮影するように心がけましょう。

利用シーンが想像できる商品写真

商品写真で大切なことが、購入者にとってその商品を利用している姿が想像できることでしたね。

たとえば、スマホケースを販売しているのならモデルさんか知人にお願いしてスマホを自然に持っている写真を撮らせてもらうのも1つの方法です。

もし持ってもらう人がいなければ、カフェのテーブルにスマホを置いている写真でもいいでしょう。ノートパソコンと並べていることで、サイズもイメージがしやすくなります。

購入者がそのスマホケースを持って友達とカフェに行き、いつものように何気なくテーブルの上に置いたことを想像してみてください。

「何、そのアートなスマホケース!見せて!」と話のネタにもなって、盛り上がります。

このように、その商品写真に利用している姿が想像できたら、その商品に魅力を感じるのではないでしょうか。

サイズや色が的確に伝わる商品写真

せっかく商品の魅力も伝わって購入してもらったのに、届いた商品が写真とは違って大きかったり小さかったりしたら、購入した後にがっかりしてリピーターになってもらえません。

それを防ぐためには、商品写真に余白をつくってそこにサイズや色を記載するのも、がっかりさせない1つの方法です。

色やサイズなど、購入者に合わせて対応できるようにして、サイズ別のリストを商品写真の最後に入れておけば購入者も「自分に合うサイズもあるんだ」と選ぶ楽しさも味わえます。

商品写真を撮影する時の注意点

せっかくここまで参考にして商品写真を撮影したのに「後になって気づいた」ではもったいない。

なので先に、商品写真を撮影するときの注意点をお話しします。

商品写真は1枚より複数枚

たまに見かけるのが、オンラインショップの商品写真を1枚しか公開していない人がいますが、商品写真がたった1枚だけでは、その魅力は伝えきれません

参考に、僕が出品しているオンラインショップminneを見ていただくと、メインの写真の横に複数枚のイメージ写真があのがわかります。

iPhoneケース強化ガラス素材 / 現代アート / グラフィックなデザイン(minne)

少なくとも、いろいろな角度から見た商品のイメージ写真を公開することをおすすめします

購入者は商品の正面だけを見ることは少なく、いろいろな角度から見てみたいと思うはずです。

たとえば、ポストカードのような平面の商品なら、どんな紙の質感なのか、表面の光沢がどのくらなのか、凹凸はどれくらいあるのかなど。

その他にも、ポストカードの裏には何がデザインされているのか、サインが入っているのか無地なのか、白い紙なのか黒い紙なのか。

オンラインショップサイトによっては公開できる上限の枚数があるので、できる限り枚数分のイメージ写真を公開する方がいいです。

写り込みに注意

写り込みとは、光沢のある商品を撮影する場合に商品の素材に撮影者が写ってしまったり、部屋の天気が反射したりしてしまうこと。

なぜ写り込みがない方がいいのかというと、商品の表面にデザインされている柄やイラストが見にくくなってしまい、それが原因で購入率が下がってしまうことがあるからです。

慣れていないと難しいかもしれませんが、写り込みをなくす方法は、商品の角度を変えたり商品の位置をずらしたりして写り込まないポイントを探すことで解決できます

それには何度も撮影を繰り返して、写り込みしない撮影場所や角度を見つけることが大切です。

商品の一部が切れている

商品の一部が切れている事に関して言えば、商品のメインになるイメージ写真を撮影する基本です。

ただし、ポストカードのような紙媒体の場合は、表面の質感やどれくらいの光沢感があるのかわかるように、表紙のアップを撮影することがあります。

主に商品のメインに使うイメージ写真については、商品の一部が切れないように撮影するようにしましょう。

最後に

今回は、商品のイメージ写真を魅力的に伝えて購入者の心を惹きつける方法について話してきましたが、イメージできたでしょうか?

個人でも気軽にオンラインショップが開設できている今の時代、競合も多くなってきているため、自社商品の魅力を伝えることはとても重要なことです。

今回の記事を参考に、購入者にとって「この商品は自分に必要だ」と思ってもらえなければ、商品の購入にはつながりません。

使用していることが想像できる商品写真を制作して、どんどんオリジナル商品を広げていってほしいと思いますが、商品写真だけで魅力を感じてもらうことはできません。

商品の魅力を感じてもらうためには、商品の制作者の想い、制作している様子、制作者のこれまでの人生などを発信していく「セルフブランディング」も大切です。

下記の記事では、画家として個展を開くときに必要なことについて話していますが、「セルフブランディング」についても詳しく話しているので、ぜひ読んでみてください。

リョウ(写真家)

京都の写真家。1974年生まれ、大阪出身。現在は京都府で写真家の活動をしながら芸術家を目指す人へ理想の芸術生活の過ごし方についてのブログを発信しています。2018年にプロの芸術家からブランディングやマーケティングの知識を学び、2018年に京都でデジタルアート展を開催。2019年に横浜赤レンガ倉庫でのグループ展に参加。2021年に奈良のクリエイターイベントに参加。クリエイティブ事業RSD Proの事業者。

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リョウ(写真家)

京都の写真家。1974年生まれ、大阪出身。現在は京都府で写真家の活動をしながら芸術家を目指す人へ理想の芸術生活の過ごし方についてのブログを発信しています。2018年にプロの芸術家からブランディングやマーケティングの知識を学び、2018年に京都でデジタルアート展を開催。2019年に横浜赤レンガ倉庫でのグループ展に参加。2021年に奈良のクリエイターイベントに参加。クリエイティブ事業RSD Proの事業者。

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