【初めての個展を開催】個展の目的を明確にすると準備もスムーズに進む

リョウの人生

芸術家として、一度は個展を開いてみたくなるもの。だからと言って、何の知識もなく「ただ個展を開きたい」という想いだけで個展を開くのはとても危険です。

なぜかと言うと、個展を開く目的を明確にしなければどのように準備をして誰に招待状を送ればいいのかどんな世界観にするのかが曖昧になってしまうからです。

個展の目的を明確にさせることで、準備もスムーズに進めることができるし、世界観が伝わって評価も上がります。

個展を開く目的は?

「個展を開くのに理由はない!ただ作品を見てもらいたいだけ!」

そのような人は行動的で素晴らしいと思いますが、これから芸術家を目指したいのであれば『個展を開く目的』を考えてみてください。

個展を開く目的として曖昧になるのが、次のようなものです。

・作品がたくさんできたから
・とにかく自分のアート作品を見てもらいたい
・個展を経験してみたい

このような曖昧な考えであれば、個展を開くのは辞めておいた方がいいでしょう。

個展を開く目的というのは、以下のようなものになります。

・芸術に触れる魅力を感じてもらいたい
・地球をテーマにした個展を開いて今の地球環境について話したい
・日常で芸術を飾る価値をその場で味わってほしい

では、簡単にご説明しましょう。

目的:芸術に触れる魅力を感じてもらいたい

「芸術に触れる魅力を感じてもらいたい」を目的とするなら、その魅力を感じてもらうために大きめの作品も準備する必要があります。

だけど、大きめのサイズの作品をつくるとなると、それなりに時間はかかるし費用もかかります。

もともとも大きなサイズの作品をあるのであれば問題ないですが、これから作ろうと考えているなら、制作期間を考えて個展に日程を決める必要があります。

目的:今の地球環境について話したい

「地球をテーマにした個展で作品を見てもらって今の地球環境について話したい」ことを目的にするなら、地球をテーマにした作品を展示して、作品を見ながらお互いの想いを話せる時間を作る必要がある。

ゆったりした空間で長時間相手と交流できるイベントにしなければ、話し合いはできませんよね。

目的:芸術を飾る価値をその場で味わってほしい

「日常で芸術を飾る価値をその場で味わってほしい」ことを目的にするなら、部屋に飾る見本になるように、色々な部屋をイメージして作品を並べる必要があります。

会場に見に来てくれる人の参考になるレイアウトをしなければいけないので、インテリアの勉強が必要になります。

このように、テーマに合った個展を開くことで、どんな人にどんな作品を見てもらえばいいのかがイメージできます。

個展は費用が掛かるもの

個展を開くといっても、無料で個展を開けるわけではなく、思っている以上に費用が掛かるもの。

もちろん「知り合いの好意で無料で貸してくれる」という場合があるかもしれませんが、ここでは一般的なレンタルギャラリーでの話を進めていくことにします。

個展に掛かる費用は、主に以下のようなものになります。

・レンタルギャラリー代
・展示用の作品制作代
・パンフレット代
・名刺制作費用
・チラシ代
・芳名帳
・手伝ってくれるスタッフへのお礼
・筆記用具
・個展後にお礼を出すハガキ代
・当日のお茶代
・交通費やパーキング代

最低でも、個展を開くにはこれだけの項目に費用が掛かります。

僕が初めて京都で個展を開いたときは、1日だけの個展で『総額12万円』掛かりましたが、これは安い方だと言われています。

レンタルギャラリーの利用条件によっては1日だけのレンタルは対応していないところも多く、最低3日からのレンタルの利用を条件にしていのが一般的です。

初めて個展を開いて失敗する理由は「なんとなく開いてみたかっただけなのに10万円以上するのなら辞めよう」と言って個展を諦める人が多いんです。

仮に、予算にゆとりがあって個展を開いたとしても、作品が購入されずに後悔だけが残って、何のために個展を開いたのか悩んで芸術活動をやめる人もいます。

まずは、個展を開く目的を明確にして予算を決める。そして、ターゲットになる人を決めて個展に向けて営業活動をする。これが、正しい個展の開き方になります。

僕が初めて個展を開いた目的

僕が何のために個展を開いたのかと言うと、

・知人に僕のアート活動を知ってもらいたかった
・自分のアート作品が他人からどう見えているのかを知りたかった
・デジタルアートでの素晴らしさを感じてほしかった
・自分のアート作品の説明を見て共感してほしかった
・クリエイティブな人たちとのつながりたかった

以上のことが、個展を開く目的でした。

当時の僕には、個展を開くための基本的な知識はなく、とにかく芸術家として個展を開いたという実績をつくりたかった想いが強かったんです。

僕の場合は、運良く1日だけのレンタルでも対応可能なギャラリーに出会えましたが、それでも、個展に掛かった費用は10万円以上でした。

初めて個展を開いて、個展を開く目的を明確にしてその目的に合わせて準備をすることがとても大切だと言うことがわかりました。

僕が開いた個展のテーマ

僕が初めて京都のギャラリーで個展を開いた時のテーマは『時間』。

毎日、一方向に刻み続ける時間。

そこに導かれた世界を、僕なりにイメージしてデジタルアートで表現したアート作品の個展、それをBehanceというサイトで公開しているので、下記のサイトをのぞいてみてください。

テーマとしては幅が広すぎますが、時間をテーマにした個展は共感されやすいものだと知っていました。

というように、見てもらう人に共感してもらえるテーマで個展を開くことが、個展を成功に導く鍵となります。

目的に合わて出展するアート作品を決める

初めて個展を開くことができると言う嬉しさから、これまでに完成させたアート作品を全て出展しようと考える人もいるかもしれません。

だけど、個展のテーマと関係のないアート作品を出展してしまうと、何を伝えたい個展なのかわかりにくくしてしまいます。

重要なのは、個展を見にくる人を独自の世界観に巻き込むこと。そうすることで、自分のアート作品の『ファン』につなげることができます。

個展を開く場合、『テーマ決め』と『目的を明確にすること』がとてもたい説で、その次に、ギャラリーをどんな空間に装飾して、自分の世界観に巻き込こんでいくのかを考えなければいけません。

個展のテーマに合った作品を選び、ストーリー調に作品の説明を書くと、見にくる人の心を引き込むことができるでしょう。

自分の理想のギャラリーを探す

個展を開くの目的やテーマが決まったら、個展を開くギャラリーを探します。

ギャラリー探しのポイントは、何件か実際に見学して自分が気に入ったギャラリーを選ぶこと。

当たり前のことですが、これがなかなか決めれないものです。

では、僕の経験からどのギャラリーを選ぶかを目安にする部分を共有しておきます。

芸術活動を応援してくれるギャラリー


Photo by GALLERY Ann

例えば、僕が初めて個展を開いたギャラリーは、京都の四条河原町から徒歩7分のところにある『GALLERY Ann(ギャラリー・アン)』。

コンクリート調で壁と床の色のバランスがよく、全体的に白を基調とした落ち着く空間。

その空間は、僕のデジタルアートの世界観を効果的に演出してくるような、大きなキャンバスにも見えました。

しかもそのギャラリーのサイトでも個展を宣伝してくれるとのこと。芸術家にとって営業活動は欠かせないので、協力的で魅力の多いギャラリーだったので、そこで個展を開くことにしました。

駅から徒歩で行ける道路沿いがオススメ

初めて個展を開く時に知人だけを招待するのなら、隠れ家的なギャラリーでも問題はありません。だけど、少しでも多くの人に個展を見に来てもらいたければ、どんな個展をしているのか道路から確認できる場所がオススメです。

初めて個展を見に来る人にとっては、個展会場に入るのはとても勇気がいるもの。

「作品を売りつけられないだろうか」
「興味があって見たいけど、中の様子が見えないから不安」

と言う理由から帰ってしまう人もいます。

そして、徒歩で見にくる人のことを考えて、駅から徒歩で行けるわかりやすい道路沿いがオススメです。

このように、見に来てくれる人のことを考えることも重要なことでなんです。

ギャラリーが決まると、いよいよ個展までの準備をすることになります。

僕が初めて個展を開いた時は、インターネットで調べながら準備を進めていったので、それなりに時間がかかりました。

個展に向けて準備する

個展の準備をするには、いろいろと調べておく必要があり、最近ではインターネットでも『個展、開き方』などで検索すれば、参考になるブログがたくさん出てくるので、それを見るだけでも個展の準備を進めることができます。

【個展の準備】

  • テーマに合った出展作品を選ぶ(又は新しい作品をつくる)
  • 額装にするのか、『スチレンボード』にするのかを考える
  • 作品を飾るレイアウトを考える
  • ギャラリーでレンタルするテーブルや椅子などの物品のリストアップ
  • キャプションボードをつくる(作品説明のボード)
  • 手伝ってくれる人を探す
  • 個展への案内状を送る
  • SNSやサイトに掲載する(宣伝)
  • ギャラリーの近隣に広告を置いてもらえる場所を探す
  • 個展を見にきてくれた人に渡す作品カタログ
  • 個展を見にきてくれた人に描いてもらう芳名帳

細かく考えていくとまだ他にもありますが、大まかな準備は上記の項目になります。

デジタル広告、いわゆるSNSで個展の宣伝投稿をすることも効果的がありますが、デジタル広告だけに頼らずに、ギャラリーの近隣のお店などに、個展案内カードを置いてもらうことも大切です。

もしかしたら、それがキッカケで次の個展会場に出会うことができたり、芸術好きな人とつながることもあります。

個展の準備はとても大変ですが、この準備をしっかりしておかないとギャラリーにも迷惑をかけてしまいます。

『個展準備〜個展当日〜個展後のお礼』までは気を抜かないようにしましょう。

信頼できる人に協力してもらう

個展を開く場合、個展に協力してくれる人たちがいることで成功させることができます。

もちろん、あなた自身が主催者となれば、あなたが指揮をとらなければいけないが、指示をするというよりお願いする立場になることを忘れないようにしなければいけません。

個展を成功に導いてくれる人とは、次のようなスタッフです。

  • 受付をしてくれる人
  • 接客対応をしてくれる人
  • 準備を手伝ってくれる人
  • ギャラリーのオーナー様
  • 宣伝に協力してくれた人

2018年に京都で僕が個展を開いたときは、

  • デジタルアートの素材になってくれたモデルさん
  • その人物素材を撮影してくれたフォトグラファーさん
  • ギャラリーで僕の作品の魅力をさらに演出してくれた音楽家さん
  • 個展当日に接客や受付対応をしてくれた僕の妻
  • 事前にサイトで宣伝してくれたギャラリーのオーナー様

プライバシーの関係で、協力してくれた全ての人を紹介することはできませんが、一部の人たちを紹介しておくので、あなたが個展を開くときの重要なスタッフの参考にしてください。

作品の撮影をしてくれたフォトグラファーさん

このとき協力してくれた人、古くからお世話になっているフォトグラファー夫妻のColor Clipsさん。

僕の知人で、滋賀県を中心に結婚式や成人式の出張撮影をされているご夫妻で、明るくて純粋な写真が魅力的なフォトグラファーさん。

他にも、モデル撮影や宣材写真など、幅広い撮影を取り入れていて、滋賀を中心に、京都、大阪、兵庫、奈良など、楽しい思い出の写真を主に撮影しています。

個展での役割

2018年に開催した個展では、デジタルアートのモデルになりたいというお客様をその場で撮影してもらうために協力していただきました。

その他にも、僕が別の人に作品説明をしているときに、機転を利かせて僕が話終わるまで接客をしてくれました。Color Clipsご夫妻がいなければ、僕は全ての人と話すことができなかったと思います。

作品を魅力的に演出する音楽クリエーターさん①

個展に出展する作品をより魅力的にしてくれる、BGMを提供してくれた2人の音楽クリエイターさん。

1人目は、写真が好きで東京でモデルもされている『葵美月(アオイミヅキ)』さん。

数年前にFacebookで色々な人の投稿を見ていたときに、まるで人形のような横顔をした綺麗なモデルの投稿写真が僕のオススメに流れてきました。

当時の僕は、アート活動も写真活動もしていなかったのですが、その投稿写真を見て「いつかこの人を撮ってみたい」と思うようになっていました。

どうにかしてつながりたいという想いが強く、FacebookでDMしたり友達申請をしたことで、なんとか繋がることができた人。

モデルもされていて、音楽も作っている、さらに写真も撮ることがあるというアオイミズキさんにも協力してもらうことができました。

個展での役割

アオイミヅキさんが作る曲は、心が穏やかになる『ゆったり』とした魅力のある曲です。

僕はSound Cloudというサイトにアップされているミヅキさんの曲を聞いて、個展でデジタルアートの魅力をさらに上げてくれるという印象が強かったので、思いきって曲の使用許可をとることにしました。

すると嬉しい返事をいただくことができ、僕のアート作品の魅力も伝わってとても感謝しています。

個展に来てくれた人の中にも、BGMについてすごく興味を持ってくれた人がいたので、使用許可をもらえてよかったと思っています。

個展の後には、アオイミズキさんが新作ミニアルバムを作るということを聞いたので迷わずに購入。その曲がまた緩やかで心地いい。

その楽曲については、また改めてブログで紹介します。

作品を魅力的に演出する音楽クリエーターさん②

そして個展で流す曲に協力してくれたもう1人は、作曲家として活動をしている『のつめ。』さん。

現在『のつめ。』さんは、著作権フリーの音楽サイト『DOVA-SYNDROME』にいくつかの曲を公開していました。

僕が以前に映像クリエイターとして、あるイベントの映像に使用できる曲を探していたときにお気に入りにしていた曲でもある。

『のつめ。』さんの曲も幻想的で、先ほどのアオイミヅキさんの曲と同じように、ぼくの作品の魅力を上げてくれる曲だったため連絡をさせていただきました。

『のつめ。』さんにも曲の使用内容をしっかり伝えると、快く使用許可をしていただけたので感謝しています。

このように音楽の面でも協力してくれた人がいたおかげで、僕がイメージしていた幻想的な空間を演出することができました。

さらに見に来てくれた人からも「アート作品とBGMのバランスが合っていて落ち着く」と言われたことがとても嬉しかったです。

考えるより『行動』することは良いこと

僕は最初、「個展についてなんの知識もないまま開いていいのだろうか?」と悩んでいました。

でも、考えるより行動していくうちに個展の開き方やスケジュールの合わせ方などイメージすることができなした。

個展の開く時に気をつけること

個展を開く場合、協力してくれる人がストレスなく動けるようにすることが大切です。

主催する側は準備やそれぞれの役割をお願いするがとても大変ですが、それ以上に協力してくれる人へのサポートは重要なこと。

トラブルに巻き込むことなく、個展を成功に導くことで信頼関係もより深くなっていきます。

最後に、個展を成功に導いたもの

個展を成功に導いてくれたのは、作品をより効果的に見せてくれるように応援してくれたギャラリーと、作品と空間の演出を手伝ってくれた音楽クリエーターさん。

そして、個展を見にきてくれる人を作品の中のモデルとして入れて、その人にデジタルアートを体感してもらうと言うアイデアを出してくれたフォトグラファーさん。

全ては、行動に移したことで夢が叶いそこに価値と信頼が生まれ、魅力のある個展へとつながったと思っています。

理想的な生活には、共感してくれる仲間と共にアイデアを出し合うことが必要です。

同じ想いをもったクリエーターとアイデアを出し合い、価値と信頼をつくっていくことで、お互いが理想にしている芸術生活を目指していくことができるということではないでしょうか。

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リョウ

リョウ

京都の写真家。1974年生まれ、大阪出身。現在は京都府で写真家の活動をしながら芸術家を目指す人へ理想の芸術生活の過ごし方についてのブログを発信しています。2018年にプロの芸術家からブランディングやマーケティングの知識を学び、2018年に京都でデジタルアート展を開催。2019年に横浜赤レンガ倉庫でのグループ展に参加。2021年に奈良のクリエイターイベントに参加。現在は東京でも写真活動を行う。

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リョウ

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京都の写真家。1974年生まれ、大阪出身。現在は京都府で写真家の活動をしながら芸術家を目指す人へ理想の芸術生活の過ごし方についてのブログを発信しています。2018年にプロの芸術家からブランディングやマーケティングの知識を学び、2018年に京都でデジタルアート展を開催。2019年に横浜赤レンガ倉庫でのグループ展に参加。2021年に奈良のクリエイターイベントに参加。現在は東京でも写真活動を行う。

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