画家をしていて「自分が描いた絵が購入されないのはなぜ!?」といった悩みを持つ人は少なくない。
実際にデジタルアートを制作している僕も、購入されないことで悩んでいた時期がある。
その時の経験から解決する方法を話そうと思うが、まずは絵が購入されないのは購入されるまでの流れを知らないことが原因だと気づくことが重要である。
とくに、購入されない焦りからSNSで作品の売り込みをしている人は当記事を参考にしてほしい。
目次
絵が購入されない原因を見つけて改善する
ある程度、作品の数が増えてくると個展やグループ展などを開いて、自分の絵を見てもらう機会をつくるようになる。
個展を開いただけで作品が購入されるのであれば、画家で稼ぐことはとても簡単なこと。だけど実際はそんな簡単なものではない。
まずは焦ってSNSなどで売り込みをする前に、絵が購入されない原因について分析して改善する方法を考えてみてほしい。
そうすれば、解決方法が見えて購入までの自然な流れをつくることができるはずだ。
画家なら誰でも通る試練
「絵が購入されない!」と言う悩みは、画家になったほとんどの人が経験する悩み。
描いた絵がすぐに購入されることなんて、実際にはあるはずがない。(知名度がある画家や、絵を描くことを始めた芸能人は別の話)
なのに、どうにかして自分が描いた絵を購入につなげたいと言う焦りから、
「新作ができました良ければサイトを見にきてください」
「1ヶ月限定で特別価格で販売します」
と言うようなコメントを付け加えて、作品の画像を毎日のようにSNSで投稿してしまう。
実はこういった、売り込み感が強い投稿が購入につながらない原因になっている可能性が高い。
焦る気持ちはわかるが、SNSでの売り込み投稿はフォロワー離れの原因になるので、別の売り込み方を考えなければいけない。
それにはまず、絵が購入されない状況をしっかり分析して、絵を購入したくなるような流れをイメージすること。
2020.06.14
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画家の人物像を明確にする
絵を購入したくなる流れをイメージすると言っても、何をどうすればいいのかわからないと思うので、僕が実際に自分分析した内容の一部を共有しておくので、あなたの分析に照らし合わせてほしい。
- 自分がどんな画家なのかを伝えているだろうか?
- なぜその絵を描いたのかを伝えているだろうか?
- 今の自分に『ファン』は何人いるだろうか?
- 効果的なSNSの使い方ができているだろうか?
自分がどんな画家なのかを伝えているだろうか?
人は『共感』するからその人に興味を持つものである。
初めてあなたの絵を見る人は、当然のように画家であるあなたのことを知らない。
作品を見た人からすれば、どんな画家がどんな想いでその絵を描いたのかを知る方法がなければ、いくら優れた絵を描いてもその絵の魅力は伝わらないし興味をもってもらえない。
まずは画家(自分)について発信し、画家の人物像を明らかにすることが大切である。
- なぜ画家になったのか
- 画家になる前は何をしていた人なのか
- どんな活動をしているのか
そういったことをSNSで発信していくと、必ずその人生に共感してくれる人が現れて興味を持ってもらえる。
なぜその絵を描いたのかを伝えているだろうか?
いくら優れた絵を描いていても、その絵を描いたストーリーが見えなければ「この絵が欲しい!」と思ってもらえない。
人はストーリーがあるものに心が揺さぶられて絵に魅力を感じてもらえる。
さらに見に来てくれる人と直接話をすることで信頼関係が生まれ、画家や絵がその人にとって価値のあるものだと感じてもらうことができる。
近年では新型コロナウイルス感染症のこともあって、オンライン化する時代になってきているが、個展はオンライン化しない方がいいと僕は思っている。
なぜなら、人と人が対面しなければ伝わらないこともあるからだ。
絵はオンラインでは伝えきることができないジャンルで、いくら画面で顔を合わせて話せるzoomでも、直接合って話をするのと伝わり方が違ってくる。
zoomだと画面を通して相手と会話をすることができて、遠い場所でも交流はできるが、同じ空間にいないためお互いの思いが伝わりづらい。
対面の場合はだと、お互いが同じ空間にいるため、その場の雰囲気を味えるという同じ環境の中で話ができるため、絵に対する思いが伝わりやすい。
今の自分に『ファン』は何人いるだろうか?
ファンを増やすと言うことは、信頼してくれる人を増やすこと。
信頼してもらうには、上の2つである『画家の人物像を伝えること』『絵のストーリーを伝えること』がとても重要で、それを発信し続けることがファン獲得への道になる。
ただし、嘘偽りのなく実際に自分自身が経験してきたストーリーを発信することが大切である。
ファン獲得への道をまとめると以下のようになる。
- ファンを増やすには『信頼してくれる人』を増やすこと
- 信頼してくれる人を増やすには『共感してくれる人』を増やすこと
- 共感してくれる人を増やすには『画家や絵のストーリーを発信』すること
効果的なSNSの使い方ができているだろうか?
『画家の人物像を伝えること』『絵のストーリーを伝えること』『ファン(信頼)を増やすこと』に集中することがわかったが、それをどこで発信するのが効果的かといえば一番身近にあるSNSである。
SNS以外にも、オンラインサロン、Facebookグループ、メルマガ、LINEなどで発信する方法があるが、今すぐに発信できる環境を考えるとSNSが身近で発信しやすい。
SNSで発信する場合に注意することは、売り込みばかりを投稿しないことと、フォロワーの増加を気にしすぎないこと。
投稿の比率で言えば、9割が画家や絵に対するストーリー、1割が軽く売り込み(告知)をする発信の仕方が効果的だ。
そしてフォロワーを気にしすぎるとフォロワーが増えないことで『SNS疲れ』になって、投稿が疎かになってしまう。
1日1投稿でも良いので、フォロワーやいいねの数を気にせずに投稿し続けることが大切である。
先に言っておくと、SNSは集客には向いていないのでどれだけ頑張って毎日投稿しても、芸能人でない限りいいねやフォロワーを増やすことは難しい。
SNSはもっと気軽に考えて投稿し「今回の投稿はバズったな!ラッキー」と言う程度に考えておく方が気が楽に投稿できる。
実際に僕がTwitterで投稿したのを見てもらうとわかるが、反応があっても『9いいね』が良い方でフォロワー数も約300と少ない方だ。
光は人にとってすごく大切なものなんで光がなくなったら人は体調も崩すしストレスも溜まってしまいます。光と影があるから体のリズムが保たれていてストレスを和らげてくれるんですね✨#芸術作品 #アート好きな人と繋がりたい pic.twitter.com/xJKJtsjLoc
— デジタル画家リョウ (@ryo_designer) August 18, 2022
それでも当ブログは6,000〜10,000PVあり、検索順位も平均11位を保っている。もちろんブログ記事によっては、検索順位が平均1位の記事もある。
僕はTwitterをメモがわりにしたり、活動の様子や芸術に対する想いを気分転換に発信するようにしている。
それを続けていると、「いいねやフォローをしていないけど、いつも投稿を見てます」って言ってくれる人も現れてくる。
SNSを使う人の中には自身では投稿せずに、情報を探すだけに使っている人もいて、そこからサイトやブログの存在を知って訪れてくれる人もいる。
僕も焦って絵を販売していた時期がある
僕もデジタル画家になり始めて、デジタルアートが増えてきたことで京都で個展を開いたこともある。
当時はまだこの『理想的芸術生活ブログ』を立ち上げていなかったので、告知は全てSNSを使用していた。
「京都で個展をします、ぜひ見にきてください」
とコメントをつけて、Twitter、Facebook、Instagramに投稿していた。
ただ、当時の僕には画家として影響を与えるほどの力はなく、デジタルアートやデジタル画家としての知名度もなかった。
そんな僕が、SNSで作品の画像や個展のお知らせを告知したところで反応がくるはずがない。
今だか言えるが、当時の僕には絵に対するストーリーを発信することすら知らなかった。
今までにないデジタルアートの作品だから、作品の画像を載せれば珍しくて個展に来てくれるだろうと思っていたが、それが間違いだったのである。
いつまでたってもSNSからの反応はないし、毎日個展の告知をしても「いいね」すら付かない。
そうなってしまうと、芸術活動そのものが自分に向いていないと思い始めてしまうもの。
自分の絵は売れないと思い始める
ここで購入につなげる知識がない人は、「自分には絵のセンスがなく売れないものなんだ」と思い始めるかもしれないが、それは間違いだ。
『絵が上手い=購入される』
『絵が下手=購入されない』
と言う思い込みは捨てなければいけない。
あなたはピカソの絵を見て上手いと思ったことはあるだろうか?
とても独創的な技法で描かれたピカソの絵は、決して上手いと言えるものではないが、心が引き込まれるのはなぜだろう?
ピカソの絵に魅力を感じる理由は、ピカソの生き方や作風を次々と変えながらピカソらしい作品を追求する姿に引き込まれる人が多かったからではないだろうか。
当時の僕は、絵を描いて作品が増えてきたら個展を開いけば、そのうち知名度も上がり、絵も買売れるだろうと思っていた。
しかも「オンラインでも作品を販売すれば、買ってくれる人はいるはずだ。少しでも多くの人に見てもらえるようにSNSで拡散していこう」と言うように、漠然とした想いしかなかった。
SNSで発信する上で大切なことは、
- 自分がなぜ画家を目指そうと思ったのか
- なぜデジタルアートという技法を使うことにしたのか
- 芸術で何を伝えたいのか
そういったことを発信し続けていくことである。
絵が売れている人の話
人の人生は不思議なもので、自分が行き詰まった時には、なぜかそれに対して改善するための場所にたどり着くことができる。
僕は絵が購入されない悩みから、画家を諦めることも考えた。だけど、あるプロの画家の問いかけの言葉によって思いとどまり、改善する方法を見つけることができた。
その言葉とは、
「自分分析をしているか?」
「画家として信頼されるポイントを作っているか?」
「絵の価値を上げる方法を知っているか?」
というものだった。
画家活動の基本は、この3つのスキルを身につけることで絵が購入されない状況を改善することができるのである。
それを教えてもらったプロの画家は、SNSに作品画像を投稿していなくても、毎日のように絵が購入されていて、絵を描きながら自由に理想の芸術生活を過ごしている。まさに僕が目指している理想の芸術生活だ。
今では僕もそこで教わったことを実行して、自由に絵を描いて理想の芸術生活を目標に前進することができている。
改善する方法は自分で見つけるしかない
画家になり始めた人や絵が売れないと悩んでいる人は、
- 自分分析
- 画家の魅力発信
- 絵のストーリーを伝える
この3つの知識を身につけていないのである。
だけどその知識を知らないのはしかたがないことでもあり、現在の日本の美術学校ではその知識について教えているところがないからだ。
そう、自分自身で探さなければその知識を知る方法がない。
僕はたまたま自分の芸術活動について悩み、ネットで色々な情報を調べることが好きだから教えてもらえる人に出会うことができたが、調べ方がわからないと言った人もいるかもしれないので、下記の記事にその画家先生についてまとめてみた。
絵が購入される流れをイメージする
自分の絵が購入されない悩みというものは、画家になって誰でも経験すること。
大切なことは、作品を見てくれる人に「この絵を購入したい」と思ってもらえるような興味付けをすること。
焦って絵を販売する前に、絵が売れるまでの流れを自分なりにイメージして、今の自分が抱えている悩み、絵が売れない状況を改善してみよう。
あくまでも「買ってほしい」と、押し売りのような感情を出すことではなく、相手から「購入したい」思ってもらえるような自然な流れをつくらなければいけない。
たとえば、あなたがとても好きな歌手がいたとしよう。
その好きな歌手に直接会うために、あなたは次のようなことを考えるはずだ。
- 誰よりも早くコンサート情報を手に入れたい
- 好きな歌手と交流できるイベントを探したい
- 好きな歌手のアイテムを購入する場所はどこ
そこであなたは、誰よりも早く情報を受け取ることができる『特別感』のある情報ツールに加入するだろう。
- ファンクラブに加入
- メールマガジンに登録
- オンラインサロンに入会
それこそ、自分の絵が購入されるまでの流れにならないだろうか。その流れを画家に変換するとこうなる。
- 誰よりも早く個展の情報を手に入れたい
- 好きな画家と交流できるイベントを探したい
- 好きな画家の作品が購入できる場所はどこ
- もっと知りたいからオンラインサロンに入会しよう
このように、絵を購入したいという自然な流れ(仕組み)をつくることが、これからの画家にも必要になってくる。
最後に、悩んだら今すぐに改善する
ここまで自分の絵が売れない原因や改善する方法について話してきたが参考になっただろうか。
僕が画家先生から学んだ芸術活動の3つの知識。
- 自分分析
- 画家の魅力発信
- 絵のストーリーを伝える
は、これから画家を目指す人や絵が購入されないと悩んでいる人にとって、すごく重要な知識になる。
そして、ただ学ぶだけでは理想の芸術生活を過ごすことはできないので、今すぐに行動することが大切だ。
今回の記事のポイント
自分が描いた絵を自然に購入につなげる方法。
- 画家や芸術に対するの想いをSNSで発信すること
- その絵を描くことを決めたストーリーを伝えること
- ファン化につなげる特別感を感じる仕組みをつくること
- 定期的に状況分析をして改善すること
これらを意識することで、画家としても絵としても価値を感じてもらうことができる。
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