芸術家とデザイナーの違いってなんなのだろう?
どちらも優れた作品をつくる人のように思えるけど、それぞれにはちゃんとした違いがある。
今回の記事を読めば、自身が自己主張な人なのか共同制作が好きな人なのかを知ることができ、どちらの職業に向いているのかわかるだろう。
目次
芸術家とデザイナーの違い
芸術家とデザイナーとの違いについて考えてみると、どちらも自身のセンスを発揮できる職業に感じるがそうではない。
結論から言えば、芸術家は自分の心の中で感じている世界を、絵や物や空間を使って作品を創り出す人。
デザイナーは、クライアント様の悩んでいる問題を解決しながら、さらにクライアント様に訪れるユーザーが安心して行動できる道をつくる人。
つまり、自身の心の中の世界を表現して自己主張する作品をつくる人が『芸術家』。相手の希望に寄り添って機能する作品をつくる人が『デザイナー』と言うことである。
自己主張する芸術家
芸術家は、自身の心の中にある世界をキャンバスや造形物や音楽などで表現して、世界でたった1つの作品として創り上げて上げていくため、
「自分は今の世の中に対してこう思っている」
「現代の地球環境を修復するために、芸術を通してエコ活動がしたい」
「自分の作品をたくさんの人に見てもらいたい」
などのように自己主張が強く、独特な世界観のある作品をつくっている。
誰もが見やすい絵を描くわけでもなく、一般受けする絵を描くわけでもない。
ただ自分自身が世の中に対して心の中で思っている世界を、自分の得意な技法で自分らしく表現して描いていく。
その作品を見る人によっては「難しい世界で何が言いたいのかわからない」と頭を傾げる人も多いがその反対に、「独創的な世界でとても引き込まれる」と絶賛する人もいて、極端に言えば好き嫌いがハッキリしている世界である。
それに芸術家は優れた作品をつくるために、孤独になることもある。
2021.07.15
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芸術家で稼げる?
芸術家は稼げるのかと聞かれると、正直に芸術家だけで食べていくことは難しいだろう。
極端に言えば、影響力のある芸術家になってその作品が数千万や数億円で購入されれば食べていけるだろう。
だけどそんな芸術家は稀で、現実的に考えると1つの作品が購入されることがやっとの世界。
現在の世の中の芸術家は、作品制作活動をしながら別で仕事をしている人がほとんどである。
だからと言って、芸術家をあきらめる必要はない。考え方を変えれば芸術家で食べていく道はある。
例えば、ギャラリーを経営してレンタルをしたり、オンラインで美術の講習をしたり。
一番良いのは、芸術家として一生食べていける方法をオンラインで講習すること。
絵を描く方法はネットや本屋さんに行けば、いくらでも知ることができるし競合も多い。
これから個人の芸術家として、ビジネスをするために必要な知識を教えるのも1つの方法である。
芸術家に必要な知識
これからの芸術家に必要なスキルは、
- 表現力
- ブランディング力
- 文章力(ライティング)
が大きく関わってくるだろう。
画力に関しては、ある程度は必要になるが、「その人らしい表現方法で描かれているか」という事が重要になるので、ここでは画力については割愛させてもらう。
表現力
まずは表現力についてだが、作品をつくる人によってその表現力はいろいろある。
例えば、現代の社会に対して自分自身がどう感じていているのかを考えてみて、それがマイナスなイメージなら暗いダークな作品になるし、プラスのイメージならカラフルで明るい作品になる。
大切なことはマイナスでもプラスでも「自分は今こんな感情を抱いている」と心の中で思ったことを、自身の得意な技法で表現して主張すれば良い。
絵を描いている人なら、イラストやアクリル絵の具などでキャンバスに描いていくことになるが、手書きの絵が苦手な人はパソコンを使って独自の世界観を表現する方法もある。
ブランディング力
ブランディング力とは、芸術家として自分自身の価値を高めてそこに人を巻き込んでいくこと。
通常は無名の芸術家の作品を見ても、購入したいと思う人はいないものである。
まずはその作品をつくっている芸術家が、どんな人物でこれまでにどんな人生を歩んで来たのか。
さらにどんな想いで活動をしているのかを、ブログやSNSで効果的に発信していく為の必要な知識である。
例えば、
- 自分が生まれてから芸術家になるまでに印象に残った出来事。
- 自分がなぜ芸術家になったのか。
- 自分がどうしてその作品をつくるようになったのか。
- 活動情報
などをアピールして、『自分』と言うブランドに人を巻き込んで、ファンを作っていくことが大切である。
このように、『自分』というブランドの価値を上げる方法がセルフブランディングである。
文章力(ライティング)
先ほどの『ブランド力』で書いた『自分(芸術家)』をブランドする為には、ブログやSNSを使うことになるだろう。そこで、人の心を引き込む文章を書く知識が文章力(ライティング力)である。
文章の書き方で心を引き込む方法は、全ての文章で完結して終わらせるより、時には相手が考えさせられる文章で心にモヤモヤを残すことも効果的な方法になる。
共に機能する作品をつくるデザイナー
デザイナーは、クライアント様(依頼者)の抱える問題点を読み取り、それを改善する為に必要な要素を入れて、機能するデザインをつくる人。
さらに、クライアント様が提供するサービスを求めているお客様が安心してたどり着けるようなコンテンツをつくって、サービスの申し込みを増やす手伝いをすることもある。
デザイナーは、クライアント様と共にデザイン案を考えていく必要があり、芸術家のように自分の想いを前面に出して自己主張をすることができない。
クライアント様と共に、機能するデザインをつくっていける人がプロのデザイナーである。
機能するデザインとは、クライアント様が提供するのサービスの申し込みや商品の購入に繋がるデザインと言う意味である。
デザイナーは稼げる?
デザイナーは芸術家と違って、クライアント様に寄り添った作品をつくるため、実績があれば企業との専属契約をすればデザイナーだけで生活していくことはできるだろう。
それ以外にも、クラウドソーシングサービスに登録すれば、オンラインで新規の依頼を受けることもできるだろう。
例えば、下記のようなクラウドソーシングサービスが有名だ。
多くの企業もクラウドサービスを使って、デザインの依頼をすることが増えてきている。
デザイナーに必要な知識
デザイナーになるには、デザインセンスだけではプロのデザイナーになることはできない。
もちろん、デザインセンスもある程度関わってくるが、その他にもデザイナーに必要な知識がある。
それが次のような知識である。
- Illustrator(イラストレーター)
- Photoshop(フォトショップ)
- コーディング(HTML、CSSなど)
- WordPress(ワードプレス)
- SEO
ではご説明しよう。
Illustrator(イラストレーター)
Illustratorとは、デザインを形にしていくために必要なグラフィックソフトである。
主に広告物(紙媒体)・名刺・チラシ・ポスターのデザイン制作で使う事が多く、イラスト系やロゴ制作などにも使用しているデザイナーが多い。
あと、印刷業者へ入稿する場合に「Illustrator(.ai)の形式で入稿してください」と指定されることも多く、デザイナーを目指しているのであれば、Illustratorの知識を身につけておいたほうがいいだろう。
Photoshop(フォトショプ)
Photoshopもデザインを形にしていくために使用するグラフィックソフトである。
こちらは主に、画面(モニター)上で見るデザインに使用されることが多く、ホームページ・YouTubeの素材制作・映像制作をメインに使用することが多い。
もう1つの特徴として、画像制作や画像編集などに向いているため、プロのカメラマンが写真補正(レタッチ)をする時にもよく使われている。
僕のデジタルアートもPhotoshopを使って制作されているのである。
コーディング(HTML、CSSなど)
コーディングの知識はホームページ制作に関わる、とても重要な知識になってくる。
最近は、簡単なホームページならサイト上で作れる
などを使って運営をする個人事業者も増えてきて、ホームページ制作に費用を掛ける人も少なくなってきた。しかし、無料でサイト制作ができるものの、自由に細かなデザインレイアウトができなかったり、オリジナルドメインが作れなかったりとそれなりに制限がある。
そんな時はそのサイトの有料プラグインを導入することで、HTMLやCSSでの編集ができるようになり、プロ並みのホームページを作ることができる。
コーディングの知識があれば、オシャレなホームページをつくることも可能である。
Wordpres(ワードプレス)
WordPress(ワードプレス)は、簡単に自身でホームページの更新や管理ができる、CMS対応のホームページツールである。
CMSとは、Contents Management Systemの頭文字をとった名称で、Web制作に使用する専門的で難しい知識がない人でも更新や管理ができるシステムである。
もちろん、先ほどのコーディングの知識があれば、さらにWordpressで作るホームページのクオリティーを上げることができる。
WordPressの特徴は、管理画面でサイトのページやブログの投稿などがしやすいという点。そして、安心して収益サイトを運営することができるため、世界ではWordpressを使ったサイトが一番多い。
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SEO
ホームページやブログを運営していくためには欠かせない、検索を上げるための知識が『SEO』である。
SEOとは『Search Engine Optimization』の頭文字を合わせた言葉で、『検索エンジン最適化』という意味がある。
クライアント様がホームページ制作の依頼をする場合、下記のような希望を言われることが多い。
- 企業の知名度を上げるためのサイト
- 集客するためのサイト
- サービスや資料の申し込みを増やすサイト
- 商品販売の実績を上げるサイト
しかしホームページを作る際に、ほとんどのクライアント様が抱える悩みがある。
「ホームページを作ったけど検索が上がってこない」
「ホームページからの申し込みが全然来ない」
当然このようなサイトで知名度や申し込みを増やすことはできない。なぜなら、検索結果の1ページ目に出てこないサイトは、人の目に触れることがなくいつまでたっても知名度を上げることができないからである。
それを改善するためには、どんなキーワードで検索をして何を解決して欲しいのかを、明確に記載する必要がある。
こうして検索を上げる対策のことを『SEO対策』と言って、デザイナーは検索を上げるためにSEOを意識したサイトを作る必要がある。
これこそデザイナーの仕事で、クライアント様と共に機能するデザインとは、検索を上げてさらに申し込みや購入を増やすデザインをつくることである。
とくにホームページで集客する場合は『SEO対策』すなわち、企業のサービスをお客さんが価値のある商品だと思ってもらえる為に、そのお客さんが悩んでいるキーワードを使ってホームページをつくる。
そして、自社のホームページを上位に表示させる対策をしなければ、いくらクオリティーの高いデザインができたとしても、SEOが弱ければ知名度が上がることはない。
SEO対策とは、それほど重要な知識なのである。
今後は、芸術家もWeb構築を考えているのであれば、SEO対策のスキルは必要になってくる。
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芸術家もデザイナーもその道は険しいもの
「絵が好きだから」
「デザインをする事が好きだから」
どんな仕事でも同じ事が言えるのかもしれないが、芸術家やデザイナーもその道はとても険しいものである。
絵を描いてSNSなどで公開しても、『いいね』の数が増えるだけで、実際に個展を見に来てくれるとは限らない。
SNSやサイトで作品を見て満足する人もいるだろう。そんな時に、『セルフブランディング』の知識を身につけておくと、自分のファンになってもらうことができるため、その作品の価値も上がってくる。
しかし、そこにたどり着くまでには、数々の努力とモチベーションを維持していくことが大切なのである。
さらに、他人に任せるのではなく、その道を自分自身で切り開いていかなければならない。
僕も経験があるが、画家になって焦ってしまう時期は必ずやってくる。しかし、焦りは正しい道を見えなくしてしまうものである。
デザイナーで依頼者と共に価値のあるデザインを作るのであれば、依頼者との関係を崩さないように焦らずに進めていけばいい。
万が一、依頼者との意見の違いが出た時でも、焦らずに相手と納得ができるまで話し合ってみると、良い結果につながっていく。
自分自身ををブランディングする知識
デザイナーでも芸術家でも『自分』と言う人物を知ってもらう為に、ブランディングする事からファンを増やしていく事になる。その場合、自分を良く見せるために良い話やカッコつけた話ばかりをしてしまうことがある。
世の中の人は、そのような自慢じみた話ばかりだと逆に信頼したくなくなってくるものである。
時には自分がやってしまった、失敗した話なども混ぜながらブランディングする方が共感してもらえるものである。
芸術家にもデザイナーにも必要になる『セルフブランディング』の知識を身につけるところから始めてみてはどうだろうか。
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