「芸術家とデザイナーの違いって何?」と思ったことはありませんか?
どちらも優れた作品をつくる人のように思えますが、芸術家とデザイナーにはちゃんとした違いがあります。
今回の記事を読んで、あなたがどちらの職業に向いているのか参考にしてください。
目次
芸術家とデザイナーの違い
まずは『芸術家』と『デザイナー』の違いについて考えてみましょう。どちらも自身のセンスを発揮できる職業に思いますが、そうではありません。
結論から言うと、芸術家は、自分の心の中で感じている世界を絵や物や空間を使って作品を創り出す人。デザイナーは、クライアント様の悩んでいる問題を解決しながらユーザーが安心して行動できる道をつくる人。
つまり、自身の心の中の世界を表現して自己主張する作品をつくる人が『芸術家』で、相手の希望に寄り添って機能する商品をつくる人が『デザイナー』です。
自己主張する芸術家
芸術家は、自身の心の中にある世界を絵にしたり、彫刻、音楽、映像などで表現して、世界でたった1つの作品として創り上げていきます。
「自分は今の世の中に対してこう思っている」「現代の地球環境を修復するために、芸術を通してエコ活動がしたい」「自分の作品をたくさんの人に見てもらいたい」などのように自己主張が強く、独特な世界観のある作品をつくっています。
世の中に対しての自分の心の中の想いを得意な技法で表現していくので、見る人によっては「難しい世界で何が言いたいのかわからない」と頭を傾げる人も多いでしょう。
だけど中には「独創的な世界でとても引き込まれる」と絶賛する人もいるので、好き嫌いがハッキリしている世界ではあります。
芸術家は優れた作品をつくるために孤独になることも多いため、「どことなく近寄りにくい」といったイメージがもたれやすいのも芸術家です。一般の人と変わらないんですけどね。
芸術家は稼げる?
芸術家は稼げるのかと聞かれると、正直、芸術だけで食べていくことは難しいです。
例えば、影響力のある芸術家になれたとして作品が数千万や数億円で購入されれば、芸術だけで生活をすることは可能でしょう。
だけど、そのような芸術家はごく稀で、現実的に考えて、作品1点が購入されることがやっとの世界。現在の世の中の芸術家は、作品制作活動をしながら別の仕事をしている人がほとんどです。
だからと言って「芸術家はオススメしない」と言うつもりはありません。むしろ、芸術家を目指す人は応援します。
僕自身、アート写真家として芸術活動をしていて、理想の芸術生活を過ごす方法を知っているからです。
作品を売るだけが芸術家ではないので、考え方を変えれば芸術で生活する方法はあります。
例えば、ギャラリーを経営してスペースを貸したり、オンラインで絵画教室をしたり写真講座を開いたり。
他にも、これから芸術家を目指す人に向けて、作品を購入につなげる方法を教えるのも1つの方法です。
芸術家に必要な知識
では、これからの芸術家を目指そうと思っている人が身につける知識は、次のようなものです。
・ブランディング力
・文章力(ライティング)
もちろん画力も必要になりますが、作品は「その人らしい表現方法で描かれているか」という点が重要になってくるので、ここでは割愛させてもらいます。
表現力
まずは表現力についてですがが、作品をつくる人によってその表現が違ってきます。
例えば、現代の社会に対して自分自身がどう感じていているのかを考えた場合、それがネガティブなイメージなら暗くダークな作品になるし、ポジティブなイメージならカラフルで明るい作品になでしょう。
重要なのは、ネガティブでもポジティブでも「自分は今こんな感情になっている」と心の中で思ったことを、自分の得意な技法で表現して主張すること。
絵を描いている人なら、イラストやアクリル絵の具などでキャンバスに描いて、手描きの絵が苦手な人は、パソコンを使って独自の世界観を表現する方法もあります。
ブランディング力
ブランディングとは、芸術家として自分自身の価値を高めてそこに人を巻き込んでいくこと。
無名の芸術家が、なんとか作品を購入につなげようと焦ってSNSで売り込み投稿をすることがありますが、それでは作品を購入につなげることは難しいでしょう。
作品を購入につなげるには、ブランディングの知識が必要になってきます。
例えば、作家の価値を上げて作品の価値を作り、作品を購入したくなる仕組みを作る。
詳しくは下記の記事で解説しているので、ここでは割愛します。
まずはそう言った知識を身につけてから、作品の売り込みをすれば購入率を上げることができます。
文章力(ライティング)
前項で話した『ブランド力』にも関係してくることなんですが、芸術家は文章力(ライティング)も身につける時代になっています。
例えば、ブランディングをするときに使うツールがブログだったとしましょう。
ただ文章を書くだけではなく、興味を持ってもらうためには心を引き込むための文章を書かなければいけません。
導入部分で心を引き込んで、自分ごとのように思わせる文章を書き、クロージング部分で行動を起こさせる。
そう言った文章を書くテンプレートは世の中にたくさんありますが、オリジナリティーを出す方法は実践しかありません。
ブログを書いて書いて書きまくることで、独自性のある文章力が身についていきます。
共に機能する商品をつくるデザイナー
デザイナーは、クライアント様(依頼者)の抱える問題点を読み取り、それを改善して機能する商品(※)をつくる人。(※『機能する商品』とは、クライアント様が提供するのサービスの申し込みや商品の購入に繋がるデザインを作るという意味です)
クライアント様が提供している商品やサービスを、お客様が安心して購入できるような道筋をつくって、交通整理(元のデザインを改善すること)をします。
デザイナーは、クライアント様と共にデザイン案を考えていくため、芸術家のように、自分の想いを前面に出して自己主張をしたい人には向いていません。
クライアント様と共に機能するデザインを作っていける人が、デザイナーに向いています。
デザイナーは稼げる?
デザイナーは芸術家と違って、クライアント様に寄り添った商品をつくるため、企業と専属契約ができればデザイナーだけでも生活していくことはできるでしょう。
ただし、専属契約ができないうちは、クラウドソーシングサービスに登録をしたり、スカウトサイトに登録して仕事につなげる道をつくっておくことが大切です。
クラウドソーシングサービスで有名なのは、下記の4つ。
多くの企業もクラウドソーシングサービスを使っていて、デザインの依頼を個人にするようになってきています。
デザイナーに必要な知識
デザイナーになるには、デザインセンスだけではプロのデザイナーになることはできません。もちろん、デザインセンスもある程度必要ですが、その他にもデザイナーに必要な知識があります。
それが、次のような知識です。
・Photoshop(フォトショップ)
・コーディング(HTML、CSSなど)
・Wordpress(ワードプレス)
・SEO
Illustrator(イラストレーター)
Illustratorとは、デザインを形にしていくために必要なグラフィックソフトで、主に広告物・名刺・チラシ・ポスターのデザイン制作で使う事が多く、イラスト系やロゴ制作などにも使用されているソフトです。
印刷業者へ入稿する際に、「Illustrator(.ai)の形式で入稿してください」と指定されることも多く、デザイナーを目指しているなら、Illustratorの知識を身につけておいたほうがいいでしょう。
Link : Illustrator
Photoshop(フォトショプ)
Photoshopも、デザインを形にしていくために使用するグラフィックソフトですが、主に画面(モニター)上で見るデザインに使用されることが多く、ホームページ・YouTubeの素材制作・映像制作をメインに使用されることが多いソフトです。
Photoshopの特徴として、画像制作や画像編集などに向いているため、フォトグラファーが写真補正(レタッチ)をする時にも使われています。
Link : Photoshop
コーディング(HTML、CSSなど)
コーディングの知識は、ホームページ制作に関わる人にとっては必要な知識です。
最近は、簡単なホームページならサイト上で作れる、ホームページ制作サービスサイトもあり、それを活用しているWebデザイナーもいます。
上記のサイトにはデザインテンプレートがあって直感的にサイトが作れるので、サイト制作の時間短縮をしたい人、やコーディングの知識がない人に利用されています。
ただ、他の人と同じようなデザインになってしまうことがあるので、オリジナリティーのあるサイトを作りたい場合はコーディングの知識が必要になります。
WordPres(ワードプレス)
WordPress(ワードプレス)は、わりと簡単にホームページの更新や管理ができる、CMS対応のホームページツールでです。
CMSとは『Contents Management System』の頭文字をとった名称で、Web制作の知識がない人でも更新や管理ができるツールです。もちろん、コーディングの知識があればさらにホームページのクオリティーを上げることができます。
WordPressの特徴は、管理画面でサイトのページやブログの投稿などがしやすいという点。そして、安心して収益サイトを運営することができるため、世界ではWordPressを使ったサイトが一番多いのではないでしょうか。
SEO
ホームページやブログを運営していくためには欠かせない、検索を上げるための知識が『SEO』です。
SEOとは『Search Engine Optimization』の頭文字を合わせた言葉で、『検索エンジン最適化』という意味があります。
クライアント様がホームページ制作の依頼をする場合、下記のような希望を言われることが多いです。
- 企業の知名度を上げたい
- 集客につなげたい
- サービスや資料の申し込みを増やしたい
- 商品販売の実績を上げたい
だけど、ホームページが完成した後、クライアント様から次のような相談を受けることがあります。
「ホームページの検索が上がってこないけどなぜ?」
「せっかくホームページを作ったのに申し込みがこない」
とくに、個人でサイト制作の依頼をされたクライアント様からの相談が多いのですが、サイトを立ち上げただけで集客にはつながりません。
集客をするためには、どんな悩みをどのように解決できるのかを明確に伝える必要があり、検索をどんどん上げる努力をしなければいけません。
その検索を上げる対策のことを『SEO対策』と言い、Webデザイナーは、検索を上げるためにSEOを意識したサイトを作る必要があります。
まとめ : 芸術家とデザイナーの違い
芸術家とデザイナーの違いについて理解できましたか?
あなたが思い描いている世界は、自身の想いを主著うした作品を作りたいのか、クライアント様と共に機能する商品を作りたいのかによって、進む道が違ってきます。
だけど、芸術家でもデザイナーでも共通する部分は、自分で自分の価値を作る『ブランディング』が必要になります。
下記の記事は芸術家に向けて書いている記事ですが、どんな仕事にも言えることなので、ぜひ参考に読んでみてください。
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