「絵の価値を決めるのは誰だろう?」
画家として絵を描いていると、こう言った疑問を持つことがある。有名画家だから、絵の価値が上がると言うものではない。
そこで「絵の価値を決めるのは誰か?」についてだが、結論から言えば、絵の価値は自分自身で決めれば良い。
今回の記事では、絵の価値を決めるのは誰でもなく自分自身のこだわりや発信の仕方で決まると言うことについて話そうと思う。
目次
絵の価値について考えた時期
僕がデジタルアートをつくろうと決めた理由は、グラフィックデザイナーで身につけたPhotoshopのスキルを活かして、人の心が揺さぶられるアート作品をつくりたかったから。
そんなデジタルアートが誕生したストーリーをまとめているので、こちらの記事も合わせて読んでほしい。
PhotoshopとはAdobe社が販売している画像編集ソフトで、写真家がレタッチするときに使用したり、デザイナーがWebデザイン制作に使用する定番のパソコンソフトである。
現在では、NFTアート(引用元「みんかぶChoice」サイトより)という、新しいアートを売買する形が有名になりつつあるため、デジタルアートを始める人も増えてきている。
ART news JAPANの調査によると、HNWコレクター(富裕層)の半数以上(約56%)が、2022年にデジタルアートを購入することに興味があると回答したほど。
しかし一方で、デジタルアートは簡単に複製できることで、価値が低く見られてしまうこともあって、以前まで僕も「デジタルアートの価値を伝えることは難しいのではないだろうか?」と思っていた。
だけどアート作品の価値を調べていくうちに「高い値段が付いたから絵の価値が上がるわけではない」と言うことを知った。
自分がつくるアート作品の価値は、自分がどれだけ想いを込めてつくった作品のか、自分がこれまでにどんな人生を歩んできて現在のアート作品をつくることになったのか。
要するに、自分自身がアート作品に込めた想いに共感してくれる人が、どれだけいるかで絵の価値を決めればいいのである。
高い絵=絵の価値ではない
僕はある芸術家にコンタクトをとって、画家になる方法について1年間学び、そこで始めて『高い絵=絵の価値』が間違えていることを知った。
その芸術家は旅をしながら絵を描き、行った先で確実に絵を購入してもらう方法を取り入れていて、毎日のように絵が購入されている。
正直、今の僕は「毎日絵が売れる」という状況ではないが、デジタルアートに対する想いを効果的に発信する仕組みはできている。
絵を販売する場所にもこだわりをもつ
絵を販売する場所にもこだわりをもつことで、絵の価値を上げることができる。
僕が学んだ芸術家が言うには「絵を売る時は、オンラインショップ運営サービスを使わない」というこだわりを持っているらしく、僕はその理由に納得ができる。
オンラインショップ運営サービスとは、BASEやminneなど、無料で開設できるオンラインショップのこと。
そういったオンラインショップサービスは、作品が購入されると決済手数料が発生して、売上から手数料が差し引かれて残りの費用が入金される仕組みになっていて、入金までの期間も必要になる。
その手数料が差し引かれることを考えると、WordpressでECサイトを立ち上げて自分で運営した方が、手数料も抑えれて入金のタイミングも自由に設定できる。
ただ現在の僕は、デジタルアート作品を増やすことに集中したいため、手間をかけずにオンラインショップを作る方を選んだため、購入された場合には、決済手数料がかかってしまう。
でもこれは僕の計画でもあり、現在使用しているオンラインショップサービスである程度の人が集まってきたら、自社ECサイトに移行しようと考えている。
有名画家には画廊がついている
では、有名画家はどうして絵が高額で購入されているのか。
まず知っておかなければいけないことは、有名画家にはたいてい画廊がついているということ。
画家は画廊を通じて個展を開いたり、コレクターに販売することで収益を得ているケースが多い。
だけど購入された場合、その手数料の30%を画廊に支払わなければならない。
例えば、コレクターに作品が高額で購入されたとしよう。
コレクターは、時代によって作品の好みが変わることもあるかもしれない。
コレクターの中には購入した作品を売って、新たな作品を購入する資金にすることも多い。
と言うことは、その時に高額で購入した作品には価値がなくなってしまうため、『高い絵=絵の価値』と言う思い込みは100%正しいとは言えない。
絵の価値の決め方
絵の価値の決め方は、ずばり『こだわり』である。
ここで例を出してみよう。
絵の価値の決め方-事例①-
僕はminneの中で、デジタルアートをプリントしたスマホケースを公開している。
画像引用元 : minne『Artryo onlineshop』
そのスマホケースの価格は『¥4,180』。
一般的に考えると高めで、よっぽど芸術が好きな人じゃなければ購入しないだろう。
正直、周りの人に聞いてみると、
「このスマホケースの素材で¥4,000以上は高い」
と言う印象だ。
だけど僕からしてみれば、数年間身につけてきたグラフィックのスキルを使って、数日かけて作ったデジタルアート作品になる。
そういったこだわりもあり、いろいろな印刷業者を試して、やっと作品の魅力を感じてもらえる印刷業者で作ったスマホケース。
僕の中では『¥4,000』でも安いと感じているが、購入してくれる人のことも考えたい。
もちろん購入してくれる人は、そんな裏の事情なんて知らないため「高い」と思うのも無理はない。
だけどスマホを販売する際に、商品を制作した背景(過程)や想いを伝えることで、そこに共感が生まれて商品の価値を感じてもらうことができる。
僕はこうして『こだわり』を伝えて、その作品の価値を感じてもらうようにしている。
実際に、僕のこだわりに共感してくれた人がスマホケースを購入し、お礼のメッセージをいただくこともある。
絵の価値の決め方-事例②-
以前、ソプラノ歌手とピアニストのユニット『かさねいろ』様からデジタルアートのご依頼を受けた時のこと。
デジタルアート制作とモデル素材撮影で『約¥60,000』。
この時、僕以外にデジタルアート制作に必要なモデル撮影をしてくれるプロカメラマンさんに依頼をした。
僕も人物撮影ができるのに、なぜプロカメラマンに依頼したのか。
それは、上級クラスの一眼レフとプロ並みのレンズで撮影して、作品へのこだわりをアピールするため。
僕が持っている一眼レフは、中堅クラスの一眼レフカメラ。
もちろん、僕が持っているカメラでも仕事を受けることは十分にできる。
だけど、プロカメラマンと組んでチームで作品制作を受けることで、依頼者にも安心感を持ってもらえる。
こうして、こだわりで制作したデジタルアートがこちら。
デジタルアートモデル : かさねいろ
Twitterのプロフィール画像にも使用していただいているので、僕もクライアント様も作品の価値を感じることができる。
最後に
デジタル画家として理想の芸術生活を目指していると、絵の価値について悩むこともある。
いったい絵の価値は、誰が決めてどんな価格で販売をすればいいのか考えてしまう。
それはしかたがないことで、芸術という分野では作品の価値について曖昧な部分がある。
有名な画家が描いた絵だから価値があるというわけではなく、絵に『こだわり』を持って自分が思うように作品の値段を設定すれば良いと僕は教えてもらった。
その作品が好きなら、高額でも購入したいと思ってくれる人は必ずいる。
僕のデジタルアートのこだわりは、光の三原色を使ったデジタルアートの質感を再現できる『ジークレー版画』で、1点ものとして完成させること。
複製がしやすいと思うわれているデジタルアートだけど、世界の1人に購入されたらその作品は再販することなく、また新たに違った作品をつくることにしている。
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